あれからエネルギーチャージをしたからか、仕事が捗った。
「…終わった」
全てが終わる頃には時計は8時を指していた。
朝からずっと向き合っていた画面。
積み上がっていた書類の山は、いつの間にかなくなっていた。
「終わったか。」
突然聞こえた声に顔を上げる。
「……社長。」
そこには、朝から変わらない表情の由城社長が立っていた。
「まだいたんですか。」
思ったことがそのまま口から出た。
すると社長は少し眉を動かす。
「仕事がある。」
「あ、そうですよね。」
危ない。
普通に聞いてしまった。
社長が暇なわけないか。
「確認する。」
「え?」
確認する。そう言うと俺が持っていた書類を取り上げた。
「今からですか?」
「そうだ。」
「明日でも大丈夫です。」
「お前は今日終わらせた。」
「……。」
「俺も今日確認する。」
淡々と言う。
相変わらずこの人は言葉が足りない。
でも。なんとなく。
少しだけ。
印象が変わった。
「社長。」
その声がした方に目を向けると月里さんがいた。
「なんだ。」
「帰らないんですか?」
「……。」
「坂城さんが終わるまで待ってたくせに。」
「待ってない。」
「じゃあ何してたんです?」
「仕事。」
「全部終わってましたよね。」
「……。」
「分かりやすいですね。」
「うるさい。」
小声すぎて何を言っているかは分からなかったが
咳払いをしたので都合の悪い話だったのだろう。
