やはり考えても無駄な話だとは思うが、なぜ突然人々は消えてしまったのだろうか。もはや非科学的だとか非現実的だとか、そんな悠長なことを言っている場合ではない。ここまで来てしまうと無理やりにでもこの現象に理由を付けなければ頭がどうにかなってしまいそうなのだ。
だが何をどう考えてもなにも思い浮かばない。先ほどまでやりたいことをやったり、遊んでいたりなど、この状況をかなり楽観視していたが改めて考えてみるとあまりにも恐ろしい事態が発生しているのだ。
だが、そもそも原因を解明したとして、自分以外の人たちが戻ってくる可能性はあるのだろうか。もしかしたら既に全員死んでしまっているのではないのだろうか。だとすれば今日だけじゃなく、これから先もずっと永遠に一人で生きていかなければならないのだろうか。そんなの絶対に嫌だ。生涯孤独に生きていくことなんて僕には絶対できない。寂しさで押しつぶされてしまうに決まっている。
少しでも頭を落ち着かせるため、一旦今日起きた出来事を頭の中で順番に整理していく。
・起床と同時に違和感を覚える。
・家族が見当たらなかった。
・通学中、誰ともすれ違うことがなかった
・自分以外の人間が消えていることが確定する。
・学校にも誰もいなかった。
こんなところだろうか。この出来事の中に何か手掛かりがあるように感じるのだが、それを掴むどころか僅かに触れることさえできない。
もはやそんな「なぜ」よりも「どうするべきか」ということに焦点を変えたほうが良いのではないのだろうか。先ほども話したようにわかるわけのない問題に無理やりにでも回答しようとするのは、あまりにも時間が無駄である。それならまだわかりそうな問題にシフトチェンジして、気持ちを切り替えていったほうが良い気もする。
だが結局なにも思い浮かばなかった。何かを考えだそうとするたびに行き詰まり、それが焦りを生み出し、結果的に何も考えられなくなる。それが何度も何度もタイムリープでもしているかのように繰り返される。
最終的に僕は考えることをやめた。これはもう答えが出ようが出まいが変わらない問題なのだ。何があっても、家族やみんなが帰ってくることは決してない。僕はこの世界で、完全なる孤独な人間になってしまったのだ。
僕は絶望した。どのような絶望なのかうまく表現したいのだが、これを例えられそうな言葉すら見つからない。
もう二度と、本当に誰にも会うことができないとでもいうなら、僕は今すぐにでも死んでしまいたかった。
そこで僕は気付いた。いったい何をすればよいのか。
僕はまず公園へ向かった。自宅からもほど近い、まだ僕が幼児の頃から利用している公園だ。自転車を砂場の近くに停め、そのまま一番大好きだった遊具であるブランコに乗った。
あの頃とは違い体も大きくなったため、座る部分がかなり窮屈だった。無理やり体を押し込むと何とか座ることができたので、そのまま足を前後に交互に動かしながら漕ぎ始めた。
ブランコが上がり下がりする度に体に触れる風が心地よい。あの頃は友人と一緒に二人乗りしたり、ブランコから飛び降りたりなど、なかなか危ない遊びをしていた記憶がある。
今は誰もいないので、何も気にすることなく自分のペースで気ままにただブランコに揺られることができる。
そんなことをしていると既にあたりは真っ暗になっていた。正直食欲はあまりないのだが、この身体は正直なもので「何かを食べろ」と腹の中から訴えかけていた。何か食べるものがないかとナップサックを漁ると、学校で買った飲みかけの三ツ矢サイダーが出てきた。ペットボトルのキャップを開け、残りを一気に飲み干した。
さすがに購入してからかなり時間が経っていたので温くなっていたのだが、それでも驚くほどに美味しかった。
少し元気が出てきたところでもう少しブランコに揺られてから、自宅へ帰ることにした。と言いながらも、気が付けば一時間ほど経過してしまっていた。
僕は夕闇の中自転車を走らせ続け、無事に自宅へ到着することができた。家には入ると思った通り真っ暗で何も見えない。だが電気をつけることはなかった。
棚からどうにかカップラーメンを探し出し、お湯を注いで三分間待つ。普段であればこの間にスマホを見るなどして時間を潰していたが、今日はもう何もする気になれなかった。
三分間経過し、箸を取り出してそのまま麺を啜っていく。美味しくもまずくもない。ただただ体に悪そうな味だ。(暗くてよくわからなかったのだが、おそらくシーフード味?)
十分ほどかけて最後まで食べきり、箸を洗うなど最後の後片付けをする。
そのまま二階に上がろうと思ったが一瞬ためらった。最後によく、この育ってきた我が家を見ておきたかった。
この十八年間、本当に色々あった。楽しいことも悲しいことも、辛いことも涙したことも、ここでは語り切れないくらいたくさんの思い出がある。
「ありがとう」
思わずそんな言葉が漏れる。僕は一体何に感謝しているのだ。家だぞ。ただの住宅だぞ。馬鹿らしい。でも、それくらい毎日を彩ってくれた大切な場所だ。もう、大丈夫。きっと未練はない。
そのまま僕は二階への階段を昇って行った。
だが何をどう考えてもなにも思い浮かばない。先ほどまでやりたいことをやったり、遊んでいたりなど、この状況をかなり楽観視していたが改めて考えてみるとあまりにも恐ろしい事態が発生しているのだ。
だが、そもそも原因を解明したとして、自分以外の人たちが戻ってくる可能性はあるのだろうか。もしかしたら既に全員死んでしまっているのではないのだろうか。だとすれば今日だけじゃなく、これから先もずっと永遠に一人で生きていかなければならないのだろうか。そんなの絶対に嫌だ。生涯孤独に生きていくことなんて僕には絶対できない。寂しさで押しつぶされてしまうに決まっている。
少しでも頭を落ち着かせるため、一旦今日起きた出来事を頭の中で順番に整理していく。
・起床と同時に違和感を覚える。
・家族が見当たらなかった。
・通学中、誰ともすれ違うことがなかった
・自分以外の人間が消えていることが確定する。
・学校にも誰もいなかった。
こんなところだろうか。この出来事の中に何か手掛かりがあるように感じるのだが、それを掴むどころか僅かに触れることさえできない。
もはやそんな「なぜ」よりも「どうするべきか」ということに焦点を変えたほうが良いのではないのだろうか。先ほども話したようにわかるわけのない問題に無理やりにでも回答しようとするのは、あまりにも時間が無駄である。それならまだわかりそうな問題にシフトチェンジして、気持ちを切り替えていったほうが良い気もする。
だが結局なにも思い浮かばなかった。何かを考えだそうとするたびに行き詰まり、それが焦りを生み出し、結果的に何も考えられなくなる。それが何度も何度もタイムリープでもしているかのように繰り返される。
最終的に僕は考えることをやめた。これはもう答えが出ようが出まいが変わらない問題なのだ。何があっても、家族やみんなが帰ってくることは決してない。僕はこの世界で、完全なる孤独な人間になってしまったのだ。
僕は絶望した。どのような絶望なのかうまく表現したいのだが、これを例えられそうな言葉すら見つからない。
もう二度と、本当に誰にも会うことができないとでもいうなら、僕は今すぐにでも死んでしまいたかった。
そこで僕は気付いた。いったい何をすればよいのか。
僕はまず公園へ向かった。自宅からもほど近い、まだ僕が幼児の頃から利用している公園だ。自転車を砂場の近くに停め、そのまま一番大好きだった遊具であるブランコに乗った。
あの頃とは違い体も大きくなったため、座る部分がかなり窮屈だった。無理やり体を押し込むと何とか座ることができたので、そのまま足を前後に交互に動かしながら漕ぎ始めた。
ブランコが上がり下がりする度に体に触れる風が心地よい。あの頃は友人と一緒に二人乗りしたり、ブランコから飛び降りたりなど、なかなか危ない遊びをしていた記憶がある。
今は誰もいないので、何も気にすることなく自分のペースで気ままにただブランコに揺られることができる。
そんなことをしていると既にあたりは真っ暗になっていた。正直食欲はあまりないのだが、この身体は正直なもので「何かを食べろ」と腹の中から訴えかけていた。何か食べるものがないかとナップサックを漁ると、学校で買った飲みかけの三ツ矢サイダーが出てきた。ペットボトルのキャップを開け、残りを一気に飲み干した。
さすがに購入してからかなり時間が経っていたので温くなっていたのだが、それでも驚くほどに美味しかった。
少し元気が出てきたところでもう少しブランコに揺られてから、自宅へ帰ることにした。と言いながらも、気が付けば一時間ほど経過してしまっていた。
僕は夕闇の中自転車を走らせ続け、無事に自宅へ到着することができた。家には入ると思った通り真っ暗で何も見えない。だが電気をつけることはなかった。
棚からどうにかカップラーメンを探し出し、お湯を注いで三分間待つ。普段であればこの間にスマホを見るなどして時間を潰していたが、今日はもう何もする気になれなかった。
三分間経過し、箸を取り出してそのまま麺を啜っていく。美味しくもまずくもない。ただただ体に悪そうな味だ。(暗くてよくわからなかったのだが、おそらくシーフード味?)
十分ほどかけて最後まで食べきり、箸を洗うなど最後の後片付けをする。
そのまま二階に上がろうと思ったが一瞬ためらった。最後によく、この育ってきた我が家を見ておきたかった。
この十八年間、本当に色々あった。楽しいことも悲しいことも、辛いことも涙したことも、ここでは語り切れないくらいたくさんの思い出がある。
「ありがとう」
思わずそんな言葉が漏れる。僕は一体何に感謝しているのだ。家だぞ。ただの住宅だぞ。馬鹿らしい。でも、それくらい毎日を彩ってくれた大切な場所だ。もう、大丈夫。きっと未練はない。
そのまま僕は二階への階段を昇って行った。
