今年のカレンダーも、とうとう最後の一枚になった。
今週はレポートの締切がふたつに、グループワークの発表まで重なって、ここ数日はまともに寝ていない。
今日の店は、白い壁に木のテーブル。器は洒落た形のターコイズブルーだ。
ここ数回は、カウンターに赤い丸椅子が並ぶような店が続いていた。そのせいか、こんなこじゃれた雰囲気はなんとなく落ち着かない。
周りを見れば、向かい合って座っている男女がやけに多い。
……なんか、ちょっとデートっぽくないか。
そんなことを考えた途端、急に頬が熱くなって、俺はごまかすように目の前の鶏白湯のスープをレンゲで混ぜた。
「今日、昼休みにキャリアガイダンスがあったんですよ」
「ああ……そういうの、二年でもあったっけ」
「就職とか院とか、そろそろ考えろって」
「ふーん」
先輩は、大学に入ったときからそういうの考えていそうな顔をしてるな、と思いながら、俺はスープを飲む。
「卒業したらどうすんの。就職?」
「そのつもりですけど、まだ具体的には……ちゃんと考えなきゃとは思ってますけど」
「……そう」
しばらく黙って食べていた先輩が、不意に言った。
「院とかは」
「えっ、俺がですか?」
「院じゃなくても……海外とか興味ねえの」
「海外?」
「留学とか、向こうで働くとか」
「うーん、考えたことなかったですね」
先輩はもう自分の卒業後を、きっとその先のことも、ちゃんと決めている。それに比べたら、俺はまだ何も考えてないみたいで、頼りなく映っただろう。
先輩に呆れられたくないし、何より自分の将来のことだ。もう少し真面目に考えないと。
もしかして、何かアドバイスしてくれたりするのかな、と思ったけれど、先輩はそれっきり口をつぐんで、食事に集中してしまった。
* *
今週はレポートの締切がふたつに、グループワークの発表まで重なって、ここ数日はまともに寝ていない。
今日の店は、白い壁に木のテーブル。器は洒落た形のターコイズブルーだ。
ここ数回は、カウンターに赤い丸椅子が並ぶような店が続いていた。そのせいか、こんなこじゃれた雰囲気はなんとなく落ち着かない。
周りを見れば、向かい合って座っている男女がやけに多い。
……なんか、ちょっとデートっぽくないか。
そんなことを考えた途端、急に頬が熱くなって、俺はごまかすように目の前の鶏白湯のスープをレンゲで混ぜた。
「今日、昼休みにキャリアガイダンスがあったんですよ」
「ああ……そういうの、二年でもあったっけ」
「就職とか院とか、そろそろ考えろって」
「ふーん」
先輩は、大学に入ったときからそういうの考えていそうな顔をしてるな、と思いながら、俺はスープを飲む。
「卒業したらどうすんの。就職?」
「そのつもりですけど、まだ具体的には……ちゃんと考えなきゃとは思ってますけど」
「……そう」
しばらく黙って食べていた先輩が、不意に言った。
「院とかは」
「えっ、俺がですか?」
「院じゃなくても……海外とか興味ねえの」
「海外?」
「留学とか、向こうで働くとか」
「うーん、考えたことなかったですね」
先輩はもう自分の卒業後を、きっとその先のことも、ちゃんと決めている。それに比べたら、俺はまだ何も考えてないみたいで、頼りなく映っただろう。
先輩に呆れられたくないし、何より自分の将来のことだ。もう少し真面目に考えないと。
もしかして、何かアドバイスしてくれたりするのかな、と思ったけれど、先輩はそれっきり口をつぐんで、食事に集中してしまった。
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