「……そう思えるほど素敵な家族に出会えて、本当に良かったわ」
安田さんは柔らかく微笑んだ。その笑顔は、胸の奥にそっと灯りをともしてくれるような温かさだった。
「私も、その言葉を聞けて嬉しい」
その一言に背中を押されるように、私は小さく息を吸った。
「私にも……できるでしょうか」
「え?」
少し恥ずかしかったけれど、不思議と言葉は自然にこぼれた。
「誰かの幸せを繋ぐ……架け橋に」
真っすぐ見つめてそう言うと、安田さんは目を細め、優しく頷いた。
「もちろん、できるわ」
穏やかな声が風に乗る。
「だって、あなたはもう誰かを幸せにしているもの」
「え……?」
思わず聞き返す。
「あなたがお父さんやお母さん、朝陽くんや夕燈くんを笑顔にしてきたようにね。家族って、誰か一人が幸せにするものじゃないの。お互いに幸せをもらって、お互いに家族になっていくものだから」
その言葉が、すとんと胸の奥へ落ちていく。私は家族に幸せをもらってばかりだと思っていた。
でも――。私も、誰かの幸せになれていたのだろうか。そんなことを考えた、そのときだった。
「おーい、いつまでサボってるんだよ」
少し呆れたような朝陽の声が聞こえる。
「ひよ、大丈夫? 疲れちゃった?」
夕燈が心配そうに駆け寄ってきた。私は安田さんへ向き直り、深く頭を下げる。
「ありがとうございました」
「こちらこそ。また会えたら嬉しいわ」
その言葉に笑顔で頷き、私は二人のもとへ駆け寄った。
「まだやること残ってるからな」
朝陽が苦笑しながら言う。
「はーい」
返事をすると、夕燈が私の顔を覗き込んだ。
「さっきの人、誰だったの?」
私は振り返る。少し離れたベンチで、安田さんがこちらへ手を振っていた。
「私と、みんなを繋いでくれた人」
そう答えて笑う。その瞬間だった。朝陽は一歩だけ足を止めると、安田さんの方へ静かに頭を下げた。大げさではなく、感謝を伝えるような自然なお辞儀。まるで――最初から、その人が誰なのかわかっていたかのように。夕燈は気づかないまま、「早く行こう」と私の手を引いて歩き出す。でも、朝陽だけは知っていた。あの人が、日和という家族の始まりを支えてくれた人だということを。安田さんも小さく会釈を返し、穏やかに微笑む。その光景を見た私は、胸の奥がじんわりと温かくなるのを感じた。
私たち家族は、たくさんの人の優しさに支えられて、ここまで歩いてきたのだ。そう思いながら、私は朝陽と夕燈の隣へ並び、一歩ずつ前へ歩き出した。
安田さんは柔らかく微笑んだ。その笑顔は、胸の奥にそっと灯りをともしてくれるような温かさだった。
「私も、その言葉を聞けて嬉しい」
その一言に背中を押されるように、私は小さく息を吸った。
「私にも……できるでしょうか」
「え?」
少し恥ずかしかったけれど、不思議と言葉は自然にこぼれた。
「誰かの幸せを繋ぐ……架け橋に」
真っすぐ見つめてそう言うと、安田さんは目を細め、優しく頷いた。
「もちろん、できるわ」
穏やかな声が風に乗る。
「だって、あなたはもう誰かを幸せにしているもの」
「え……?」
思わず聞き返す。
「あなたがお父さんやお母さん、朝陽くんや夕燈くんを笑顔にしてきたようにね。家族って、誰か一人が幸せにするものじゃないの。お互いに幸せをもらって、お互いに家族になっていくものだから」
その言葉が、すとんと胸の奥へ落ちていく。私は家族に幸せをもらってばかりだと思っていた。
でも――。私も、誰かの幸せになれていたのだろうか。そんなことを考えた、そのときだった。
「おーい、いつまでサボってるんだよ」
少し呆れたような朝陽の声が聞こえる。
「ひよ、大丈夫? 疲れちゃった?」
夕燈が心配そうに駆け寄ってきた。私は安田さんへ向き直り、深く頭を下げる。
「ありがとうございました」
「こちらこそ。また会えたら嬉しいわ」
その言葉に笑顔で頷き、私は二人のもとへ駆け寄った。
「まだやること残ってるからな」
朝陽が苦笑しながら言う。
「はーい」
返事をすると、夕燈が私の顔を覗き込んだ。
「さっきの人、誰だったの?」
私は振り返る。少し離れたベンチで、安田さんがこちらへ手を振っていた。
「私と、みんなを繋いでくれた人」
そう答えて笑う。その瞬間だった。朝陽は一歩だけ足を止めると、安田さんの方へ静かに頭を下げた。大げさではなく、感謝を伝えるような自然なお辞儀。まるで――最初から、その人が誰なのかわかっていたかのように。夕燈は気づかないまま、「早く行こう」と私の手を引いて歩き出す。でも、朝陽だけは知っていた。あの人が、日和という家族の始まりを支えてくれた人だということを。安田さんも小さく会釈を返し、穏やかに微笑む。その光景を見た私は、胸の奥がじんわりと温かくなるのを感じた。
私たち家族は、たくさんの人の優しさに支えられて、ここまで歩いてきたのだ。そう思いながら、私は朝陽と夕燈の隣へ並び、一歩ずつ前へ歩き出した。

