「明日デートなの!」
「は?」
朝陽の顔が、ほんとにわかりやすく歪んだ。眉が寄って、口がへの字になって、完全に不機嫌モード。
「誰と?」
「なんで言わなきゃいけないのー?」
「まじで、誰だよ」
声が低い。少し怖い。私は観念して言う。
「夕燈とだよ。そんな怖い顔しなくていいじゃん。無理させないようにするって」
「そういうことじゃない」
朝陽はずかっとベッドに腰を下ろした。沈んだスプリングが、部屋の空気まで重くする。
「お前……ほんと昔から夕燈のこと好きだよなー」
「だってかっこいいじゃん!」
「俺も顔同じだけど」
「似てるけど違う」
言った瞬間、朝陽の目がわずかに細くなる。怒っているというより、何か複雑な感情が混ざったような目。その表情が、胸の奥にひっかかった。
「夕燈はさ、ふわっとしてて、穏やかで優しいもん。私の知らないことたくさん知っててさ。得意げに話してくれるとことか可愛い」
夕燈は本当に物知りだ。
「自分の知識ひけらかすような男嫌じゃね?」
朝陽の声は低くて刺々しい。
「はあ!?嫌じゃないわ!夕燈だから許されるの!でも読み聞かせに憲法読み上げられるのはちょっと……とは思ったけど」
「……あっそ」
完全に不機嫌な返事。でも、どこか拗ねているみたいにも聞こえる。
「ねぇ、こっちとこっちどっちがいい?」
私は淡い黄色のワンピースとモスグリーンのワンピースを広げて見せる。
朝陽は一瞬だけ考えて——
「それならそっち」
黄色のワンピースを指さした。
「ってか、ほんとにデートなのか?」
「……デートしよって言ってたけど、どこ行くんだろう?」
「さあ?」
朝陽はそっぽを向いたまま答える。ずっと機嫌が悪い。
「っというか、朝陽は何しにきたわけ?」
「……あー。もういいわ」
立ち上がろうとする。
「なにそれ!」
思わず声が上ずる。朝陽はドアの前で振り返り、少しだけ眉を寄せて、でも何も言わずにまたそっぽを向いた。その横顔が、妙に複雑そうで。怒っているだけじゃない気がして、胸がざわついた。
「は?」
朝陽の顔が、ほんとにわかりやすく歪んだ。眉が寄って、口がへの字になって、完全に不機嫌モード。
「誰と?」
「なんで言わなきゃいけないのー?」
「まじで、誰だよ」
声が低い。少し怖い。私は観念して言う。
「夕燈とだよ。そんな怖い顔しなくていいじゃん。無理させないようにするって」
「そういうことじゃない」
朝陽はずかっとベッドに腰を下ろした。沈んだスプリングが、部屋の空気まで重くする。
「お前……ほんと昔から夕燈のこと好きだよなー」
「だってかっこいいじゃん!」
「俺も顔同じだけど」
「似てるけど違う」
言った瞬間、朝陽の目がわずかに細くなる。怒っているというより、何か複雑な感情が混ざったような目。その表情が、胸の奥にひっかかった。
「夕燈はさ、ふわっとしてて、穏やかで優しいもん。私の知らないことたくさん知っててさ。得意げに話してくれるとことか可愛い」
夕燈は本当に物知りだ。
「自分の知識ひけらかすような男嫌じゃね?」
朝陽の声は低くて刺々しい。
「はあ!?嫌じゃないわ!夕燈だから許されるの!でも読み聞かせに憲法読み上げられるのはちょっと……とは思ったけど」
「……あっそ」
完全に不機嫌な返事。でも、どこか拗ねているみたいにも聞こえる。
「ねぇ、こっちとこっちどっちがいい?」
私は淡い黄色のワンピースとモスグリーンのワンピースを広げて見せる。
朝陽は一瞬だけ考えて——
「それならそっち」
黄色のワンピースを指さした。
「ってか、ほんとにデートなのか?」
「……デートしよって言ってたけど、どこ行くんだろう?」
「さあ?」
朝陽はそっぽを向いたまま答える。ずっと機嫌が悪い。
「っというか、朝陽は何しにきたわけ?」
「……あー。もういいわ」
立ち上がろうとする。
「なにそれ!」
思わず声が上ずる。朝陽はドアの前で振り返り、少しだけ眉を寄せて、でも何も言わずにまたそっぽを向いた。その横顔が、妙に複雑そうで。怒っているだけじゃない気がして、胸がざわついた。

