ユキイロノセカイ

「……ユキさん」

 名前を、呼ばれた気がした。
 ふと射し込んだ光。
 もの凄い力で吸い寄せられるように、浮上する意識。

「ユキさんっ!」

 焦げ茶色の髪と、あたしをゆらゆら映す同じ色の瞳が、真っ先に視界に飛び込んできた。

「……かえで?」
「そうっ、俺楓! 気づいたっ? 無事でよかったぁっ!!」
「うぐっ……苦し……首、折れ……」
「へっ? あ、ごめんユキさ……うわぁああ! 死なないでユキさぁんんん!」

 目を覚ましたとたん、安堵したバカ弟子にぎゅうぎゅう圧死させられそうになる。
 そんなバカっぽい日常が、帰ってきた。