「……なんの話?」
「女性恐怖症克服させるためだって、ムリやり連れて来られて。結局は、俺を口実に野郎どもがエンジョイしたいだけ」
「でしょうね」
さっきからキラッキラした視線感じるし。
「えーっと、ユキちゃんだっけ? 月森と付き合ってんの?」
ずずいっと身を乗り出してきたのは、たしか下田さんといったか。
いまどきの男子大学生にしちゃあ珍しく、未加工の黒髪短髪。
パッと見は爽やかなスポーツマンって感じ。
まぁ楓をイジッていたように、『女嫌いが親しげにしている女』に興味津々みたいだけども。
「いやまったく」
すると下田さんの隣、あたしから見て手前に座った木村さんとやらが、レンズが入っていないアンダーリムメガネのブリッジを押し上げた。
「じゃあ、付き合いたいとかはないわけ? こいつ顔はいいっしょ?」
「カッコイイとは思うけど、そんな風に見たことないし。てか破門寸前のバカ弟子だし」
「バ・カ・弟・子! あっはは! こりゃー脈なしだわ! 月森ドンマーイ」
「安心しろ、恋愛相談ならいつでも乗ってやんよ!」
「ぶっ! おいっ!」
「は? 恋愛?」
「おまえらっ、ふざけんなよっ!」
「「グッドラック!」」
親指を突き立てるなり、ご友人方は料理皿と伝票を手に空席へと移動した。
あとにはお冷やのグラスを叩きつけた反動で立ち上がった楓と、あっけに取られたあたしが取り残される。
「えーと、あんたも苦労してんね。見事誤解されちゃって」
「…………」
「まぁあたしとのアレは日常茶飯事なわけだし、ハッキリ言っといていいからね? 俺らはそういうのじゃありませんって」
「……ユキさん、バイトいつ終わる」
「は……バ、バイト? あと30分くらいだけど……」
「じゃあ、終わったら駅前に来て。話がしたい」
それっきり楓は座り込み、無言でオムライスを口に運ぶ。
時折カチャ、とプレートに当たるスプーンの音が、やけに耳ざわりだった。
「女性恐怖症克服させるためだって、ムリやり連れて来られて。結局は、俺を口実に野郎どもがエンジョイしたいだけ」
「でしょうね」
さっきからキラッキラした視線感じるし。
「えーっと、ユキちゃんだっけ? 月森と付き合ってんの?」
ずずいっと身を乗り出してきたのは、たしか下田さんといったか。
いまどきの男子大学生にしちゃあ珍しく、未加工の黒髪短髪。
パッと見は爽やかなスポーツマンって感じ。
まぁ楓をイジッていたように、『女嫌いが親しげにしている女』に興味津々みたいだけども。
「いやまったく」
すると下田さんの隣、あたしから見て手前に座った木村さんとやらが、レンズが入っていないアンダーリムメガネのブリッジを押し上げた。
「じゃあ、付き合いたいとかはないわけ? こいつ顔はいいっしょ?」
「カッコイイとは思うけど、そんな風に見たことないし。てか破門寸前のバカ弟子だし」
「バ・カ・弟・子! あっはは! こりゃー脈なしだわ! 月森ドンマーイ」
「安心しろ、恋愛相談ならいつでも乗ってやんよ!」
「ぶっ! おいっ!」
「は? 恋愛?」
「おまえらっ、ふざけんなよっ!」
「「グッドラック!」」
親指を突き立てるなり、ご友人方は料理皿と伝票を手に空席へと移動した。
あとにはお冷やのグラスを叩きつけた反動で立ち上がった楓と、あっけに取られたあたしが取り残される。
「えーと、あんたも苦労してんね。見事誤解されちゃって」
「…………」
「まぁあたしとのアレは日常茶飯事なわけだし、ハッキリ言っといていいからね? 俺らはそういうのじゃありませんって」
「……ユキさん、バイトいつ終わる」
「は……バ、バイト? あと30分くらいだけど……」
「じゃあ、終わったら駅前に来て。話がしたい」
それっきり楓は座り込み、無言でオムライスを口に運ぶ。
時折カチャ、とプレートに当たるスプーンの音が、やけに耳ざわりだった。



