御刀さまと花婿たち

 長月のはじめ。
 予定よりすこしばかり遅れて、御刀(おかたな)さまは兎鞠(とまり)神社へもどった。
 これよりひと月後。今後にかかわる重要な神事が執り行われる。
 それに先立ち、兎鞠神社をおとずれる者があった。

「本日はおあつまりいただき、ありがとうございます」

 大広間にて。
 鼓御前(つづみごぜん)(かんなぎ)と向きあう。
 招集に応じたのは、葵葉(あおば)千菊(ちあき)桐弥(きりや)の三名だ。
 鼓御前はかしこまった様子で、口をひらく。

「では、早速本題にうつりましょう。──翌月にひかえている、選定の儀について」