御刀さまと花婿たち

 カン、カン、カン。
 あるところに、男がいた。
 男は独りで、刀を打っていた。

『違う……』

 だがしばらくして、男は鉄の塊を放り投げる。

『違う、またやり直しだ。こんなものじゃない……』

 何度やっても、うまくいかない。
 男はうなだれた。
 だが、それでも刀を打つしかなかった。
 男は、刀鍛冶なのだから。

『次こそは……』

 男はかたわらにある太刀を見つめながら、鎚をにぎり直した。
 カン、カン、カン。
 がらくたの山が積みあがっていく。
 男が独りきりで刀を打つ音が、いつまでもいつまでも、ひびいていた。