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ちょうど三日後の朝。
蘭雪が目をさますと、枕もとにひと振りの刀が置かれていた。
刀を白鞘から抜き、蘭雪は感嘆をもらす。
刃を研がれ、以前よりちいさくなってしまったけれど、間違いない。
その刀は、『天鼓丸』だった。
『この子は、あなたに託します』
あの日、刀鍛冶の男は言っていた。
『ですから、約束をしてください。この子に生涯寄り添い、たいせつに後世へつたえていくと』
いまとなっては、その男の顔もよく思いだせない。
夢のような出来事だった。
けれども、腕のなかにある刀の存在は、たしかなものだ。
「……おかえり」
彼女が主と認めてくれたのなら。
蘭雪も、生涯をかけて彼女をたいせつにしたいと、強く誓った。
「私といっしょに生きましょう──わが愛しの君、鼓御前」
これが、蘭雪と愛刀『鼓御前』の物語。
そして戦乱の世に、竜神のごとくその名を轟かせる『鳴神将軍』の、伝説のはじまり。



