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「あ…、あれ柊弥くん?」
翌日、学校に向かう途中にいつも通る道で柊弥くんらしき後ろ姿を見かけた。人に囲まれてることが多いけど、今日は1人で歩いてる。時々空を見上げながら、白っぽい髪の毛を掻いたり周りをキョロキョロしたり、落ち着かない様子だ。
今まで柊弥くんを見かけても何ともなかったのに、今は見つけた瞬間ギクリとした。ドキリの間違いかもしれないけど。
告白された時の真剣な顔が思い浮かぶからか…?
そうだ、昨日俺は告白されたんだ。
薫くんからの電話にも出て、ハッキリ断ることができたんだから。
次は柊弥くんに返事をしないと…。
そうだ、今俺から声をかけみたら驚くかな…?
「しゅ、柊弥くん…!」
「…っ!?わっ!?せ、先輩!」
「お、おはよう」
「わっ!え、あ、お、おはようございます…!」
背後から声をかけるってどうしたらいいか分からず、柊弥くんの背中ら辺、ブレザーをくいっと摘んでしまった。酷く驚かせてしまったようだ。あたふた動いた後、顔を真っ赤にして逸らしてしまったから。
「あ、驚かせて悪い…。挨拶したかったんだが、どうやって声をかけようか迷ってしまって…」
「いいいえ!嬉しくてびっくりしたっていうか…。てか、先輩からおはよって言われると思ってなくて…、嬉しすぎっていうか…制服摘まれたのもちょっと可愛すぎってっていうか…」
「えっ?」
柊弥くんはなぜか口元を両手で覆って、チラチラこちらを伺っている。と、思ったら急に人目もはばからず地団駄を踏み出した。
「一一~~ああもう!先輩無自覚すぎです!俺こう見えて気持ち抑えるの大変なんですから!返事される前に食べちゃいますよ!?」
「そっ!そのことなんだが…!」
「…えっ!?」
「今日、話をしたいから…昼休みに屋上に来てくれないか?もし用があるなら俺は待ってるから…」
「いえ、ないっす。めちゃくちゃ行きます。スグ行きます」
「!あ、ああ…ありがとう」
あっさり了承してくれてよかった。だけど、しばしの沈黙。この時間がなんだかムズ痒い。
「じゃ、じゃあまた昼休みに!!」
「え!?せ、先輩ー!?」
走った。走ってしまった。なんだか走り出したくなったんだ。
こんなに胸の奥が高ぶって、走りたくなるなんていつ以来だろう。


