冬馬の端末が震えた。
『誰かの位置情報を送信すると、生存ポイント+1』
冬馬は眉をひそめる。これが、ヒミツの言っていた「ウラギリ」か。呆れて目を落とす。
誰かを売ったら自分が助かる。でも、そんなこと、冬馬はしたくなかった。
咲楽は相変わらず冬馬の手をつかんで不安そうにしている。その後ろには機嫌が悪そうな萌香もいる。
珍しいな、萌香が不機嫌なんて。萌香が不機嫌な理由が自分だと知らずに、冬馬は不思議そうにしている。
咲楽の端末にもその情報は送られる。咲楽は迷わなかった。
冬馬の腕を掴んだまま、もう片方の手で端末を操作する。送信する位置情報は、萌香。
咲楽の中ではもう答えは決まっていた。萌香がいると、自分の作戦が成功しない可能性がある。
萌香をなくした冬馬は壊れる。つまり、萌香がいなければ、自分が助かる可能性が高まる、ということだ。
これは最後のチャンスかもしれない。咲楽はそう思って、萌香を選択することを決めたのだ。
咲楽の端末が小さく光る。
そして、次の瞬間、廊下の奥で、機械音が響いた。その音を聞いて萌香が肩を震わせる。
「冬馬…なんか来てる」
「落ち着け。まだこっちには来てない」
ドローンの音がどんどん三人がいる方に近づく。
それが、萌香の隠れていた方向へ飛んでいく。
「嘘…っ」
萌香が泣きそうになった。冬馬は気づく。
「萌香の場所が、誰かに売られたのか…?」
萌香は悔しそうに唇を噛む。咲楽は心の中で微笑んだ。全てが咲楽の思い通りになっている。
ちょうど同じ時間、誰かが廊下から三人の姿を見ていた。涼花だ。
涼花の端末にも通知が来る。涼花は咲楽の行動を見て確信していた。
咲楽が萌香を売った。冬馬を利用して生き残ろうとしている。と、いうこと。
「全く、嫌なやつだ~。許さない」
涼花はつぶやいて、端末を操作する。送る位置情報は―咲楽。端末が光る。
ドローンの音が咲楽の隠れた方向へ向かう。咲楽は青ざめる。
「えっ…なんで?」
冬馬が咲楽の手を掴む。
「咲楽、走れ!」
咲楽は涙を浮かべながら冬馬にしがみつく。
「冬馬、助けて!」
ここには萌香もいる。そして、怜奈もいるみたいだ。一瞬、迷った。でも、『友達』のためなんだ。
冬馬は咲楽をこちらに来るように促す。
涼花は、咲楽への殺意をさらに濃くする。
「なんで、いつも、あいつだけっ!」
そして、涼花もまた、作戦を考えていた。冬馬を殺せば、咲楽は生き残れなくなる。
「冬馬には申し訳ないけど、やるしかないか」
「助けてくれてありがとう、冬馬」
咲楽が笑顔で言った。
「もちろん、友達なんだから!」
「じゃあ、冬馬は優しいから、友達の為なら『なんでも』できるよね?」
冬馬は答えないが、その代わり、考えるポーズを続ける。難しいことを聞かれた。
『なんでも』と言われたら難しいが、唯人レベルに仲がいい友達だったら、唯人を守るために命を落としてもいいかもしれない。
「みんなの命は大事だから」
冬馬は、それしか言えなかった。
『誰かの位置情報を送信すると、生存ポイント+1』
冬馬は眉をひそめる。これが、ヒミツの言っていた「ウラギリ」か。呆れて目を落とす。
誰かを売ったら自分が助かる。でも、そんなこと、冬馬はしたくなかった。
咲楽は相変わらず冬馬の手をつかんで不安そうにしている。その後ろには機嫌が悪そうな萌香もいる。
珍しいな、萌香が不機嫌なんて。萌香が不機嫌な理由が自分だと知らずに、冬馬は不思議そうにしている。
咲楽の端末にもその情報は送られる。咲楽は迷わなかった。
冬馬の腕を掴んだまま、もう片方の手で端末を操作する。送信する位置情報は、萌香。
咲楽の中ではもう答えは決まっていた。萌香がいると、自分の作戦が成功しない可能性がある。
萌香をなくした冬馬は壊れる。つまり、萌香がいなければ、自分が助かる可能性が高まる、ということだ。
これは最後のチャンスかもしれない。咲楽はそう思って、萌香を選択することを決めたのだ。
咲楽の端末が小さく光る。
そして、次の瞬間、廊下の奥で、機械音が響いた。その音を聞いて萌香が肩を震わせる。
「冬馬…なんか来てる」
「落ち着け。まだこっちには来てない」
ドローンの音がどんどん三人がいる方に近づく。
それが、萌香の隠れていた方向へ飛んでいく。
「嘘…っ」
萌香が泣きそうになった。冬馬は気づく。
「萌香の場所が、誰かに売られたのか…?」
萌香は悔しそうに唇を噛む。咲楽は心の中で微笑んだ。全てが咲楽の思い通りになっている。
ちょうど同じ時間、誰かが廊下から三人の姿を見ていた。涼花だ。
涼花の端末にも通知が来る。涼花は咲楽の行動を見て確信していた。
咲楽が萌香を売った。冬馬を利用して生き残ろうとしている。と、いうこと。
「全く、嫌なやつだ~。許さない」
涼花はつぶやいて、端末を操作する。送る位置情報は―咲楽。端末が光る。
ドローンの音が咲楽の隠れた方向へ向かう。咲楽は青ざめる。
「えっ…なんで?」
冬馬が咲楽の手を掴む。
「咲楽、走れ!」
咲楽は涙を浮かべながら冬馬にしがみつく。
「冬馬、助けて!」
ここには萌香もいる。そして、怜奈もいるみたいだ。一瞬、迷った。でも、『友達』のためなんだ。
冬馬は咲楽をこちらに来るように促す。
涼花は、咲楽への殺意をさらに濃くする。
「なんで、いつも、あいつだけっ!」
そして、涼花もまた、作戦を考えていた。冬馬を殺せば、咲楽は生き残れなくなる。
「冬馬には申し訳ないけど、やるしかないか」
「助けてくれてありがとう、冬馬」
咲楽が笑顔で言った。
「もちろん、友達なんだから!」
「じゃあ、冬馬は優しいから、友達の為なら『なんでも』できるよね?」
冬馬は答えないが、その代わり、考えるポーズを続ける。難しいことを聞かれた。
『なんでも』と言われたら難しいが、唯人レベルに仲がいい友達だったら、唯人を守るために命を落としてもいいかもしれない。
「みんなの命は大事だから」
冬馬は、それしか言えなかった。



