オカルトすぎる多々良くんを保護します

校庭で映研の撮影が始まった。うさぎのコスプレをしている多々良悪役とちくわを持っている郡司ヒーローは、校庭の真ん中にいた。持川馨はカメラを持って、君島先輩は台本を持って、監督を担当している。
持川が三脚を立ててカメラの設定を完了して、そろそろ本番だ。

「回りましたー。シーンカット6」
「よーい、はい」
「うえ〜〜ん、寂しいよ。仕事だって駆けつけてよ。僕のこと考えてよおお〜〜」
「お前は、市民のみんなを傷つけて町も壊した、なんでそんなことするんだ」
「だって、僕のことばっか考えないからでしょ、一人で寂しいから誰かに遊んでもらっただけだろ〜〜」

多々良はうさぎの悪役になりきって、演技が光っていた。郡司は多々良にちくわを向ける。
「…お前はお前が好きか?」
「はあ?僕のことが好き?知らねえよ!!僕は…僕はあああああ」
多々良の様子がおかしくなり、体がゾンビのようになる。
「だって寂しんだもん、ずっと、ずっと誰かと一緒にいたいんだよお」
多々良の瞳から、ポロポロと涙が出てくる。
多々良が郡司に攻撃しようとするが、郡司は変身ポーズをしている。
「もうお前の好きにはさせない。変身!!」
郡司がちくわを振り回して変身し、ちくわを多々良のお腹に刺す。
すると多々良は、膝から崩れ落ちる。

「お前も俺のものになれ!こっちに来い!」
「カットー」
君島のカットがかかり、多々良はお腹を抱えて、立ち上がる。
「あ、多々良ごめん。まじで痛かった?」
「待って何これ、ちくわでうさぎを攻撃して退治するって、俺なんでこんなことしてんの」
多々良は大爆笑してお腹を抱えていた。
「ああ、よかった、どっか痛いのかと」
「よくこんなの思いつくね、郡司やっぱり面白いわ」
「ええ?真剣に作ったんだけど」

君島監督はその光景に微笑んでいて、持川はカメラを片付けていた。
「いやー青春だああ、校庭に花が咲いてたよ」
「君島先輩、かっこつけないでください」
「でも、多々良の泣き顔ぶっ刺さったわー」
「多々良めっちゃ感動したよ!」
持川が多々良の頬に触れると、郡司がそれを付き払う。
「辞めてください、多々良が可愛いのはわかるけど、簡単に触れんな」
郡司は大声でブチギレていて、めっちゃ怖いんだけど。
「…そんな?」
郡司が多々良の手をぎゅっと握ると、真剣だ。
「そんなに、だから」
「ああ、そう」
「っぷははっは!こっちも撮れるじゃん」
「恥ずいわーいいっすねー。てかもう5限ですよ、行かないと」

持川と君島先輩は機材を片付けて教室に戻ると、セーラーおじさんが校庭の階段で端で笑っていた。
多々良が教室に戻ろうとすると、郡司に引き止められる。
「多々良、撮ってる時、セーラーおじさんいた?」
「ああ、ずっと見てたよ、階段のとこ」
「やっぱいたかあ、気配はしたけどな」
「おじさんも大爆笑してたみたい」
多々良が思いだし笑いをしていると、郡司は多々良に向き合う。
「多々良、俺の特撮出てくれてありがとうな」
「うん、こちらこそ面白かった。ありがとう」
郡司と多々良は教室に向かった。

多々良は成瀬洸一先生に授業後に呼ばれていて、郡司は気になって見ていると、成瀬先生は多々良の肩を触っていた。
「萌くん、勉強順調ですか?そろそろにぎにぎしましょうよ」
「いいですね、久しぶりにお家来てくださいよ、成瀬先生忙しそうだから」
郡司(はあ?にぎにぎって何だ?)
「おじさんは元気ですか?」
「うん、相変わらず興味深々なのか動いてるよ」
郡司(おじさんのこと何で知ってるんだよ!!)
「そうですか、萌くん今日ってにぎにぎどうですか?」
「全然大丈夫ですよ」
郡司心萌が成瀬先生に抱き締められて襲われている所を想像する郡司。
郡司(だめだめだめええええ!!!!萌って名前で呼ぶんじゃねーよ)
多々良の笑顔は、心から許しているような表情だった。郡司はその光景を見ていて嫉妬が渦巻き、多々良を引き寄せ成瀬先生の前に立ちはだかる。
郡司「にぎにぎすんじゃねーよ!!!!」
郡司の怒号が講堂に響き渡り、多々良は硬直していた。