オカルトすぎる多々良くんを保護します

多々良の入っているサークルは映画研究部、映研に所属していた。
放課後は、映研にいくので郡司もついていくことにした。多々良は戸惑ってるけど、郡司はどこでも付いていく。なぜなら気になったら突進するのがモットーだから。
準備室には二人の生徒がいた。同じ1年の持川馨と、3年の君島太一先輩だ。

「多々良おーえー新入部員?」
「知らないです、なんかついてきたんですよ」
「あ、知ってる、1年で人気の郡司渉くんだよね」
「そうです!こんにちは、先輩」
「俺は、君島太一」
「君島先輩よろしくです」
「あー俺は持川馨、同じ1年だよ」
「じゃあ、馨で」
「距離早いな」
「で、郡司くんは映画研究部に入るのかな」
「そうじゃなくて、多々良を観察してます」
「観察?どうかした?多々良」
「なんか、勝手についてくるんですよ」
「それと、おじさんの件で」
「おじさん?」

多々良は郡司の口を手で必死にふさいで、準備室の端にいった。
「ちょっと、持川と君島先輩は知らないんだから、言うなって」
「あ、そうだった、悪い」
「で、郡司くんは映画、何撮りたいの」
「ああ、映画、えっとー俺が好きなちくわをメインにした、ちくわ特撮を撮りたいです」
「ちくわ特撮?」
「はい、まずはちくわを食べて、変身!して戦います」
「ははっは、なんだよそれ、受ける」
「面白いじゃん」
(何だよ、ちくわ特撮って、斬新すぎてなんとも言えないけど、発想えぐいな)

君島先輩と、持川は大爆笑だった。ていうかなんだよ、映画の才能あるのかも。
郡司はかっこよくて、才能あって、ズルすぎな。
「まあ、郡司くん気軽に映研きてよ、一緒に今度撮りに行こう」
「まあ、郡司なんか面白そうだもんな」
「持川筋肉あるし、悪役最強じゃん」
「俺?悪役?まあやってやろっか」
「うん、任せるわ、てか、君島先輩映研入っていいんですか」
「おう来い来い、やばいの撮っちゃおう」

郡司は早々に、君島先輩と持川に好かれて、意気投合した。第一印象良すぎてやっぱり陽キャは眩しいです。郡司も英研に入るみたいだし、現場の人数足らなかったのもあるし、嬉しかった。
「じゃあ、来週撮りに行くから郡司くんも来て」
「おっけいです!よろしくな、多々良」
「ああ、うん、よろしく」

***
大学の講義は、同じ科目を受けることが多い。ていうか、郡司が俺の隣に座って講義を受けにきてるんだけど。
「多々良、ここわからないんだけど」
「え、どこ」
郡司のノートを見ると、天パでヘンテコな顔の人物が描かれていた。
人物の上にプラトンと書かれている。
「これってプラトン?」
「いやーなんでこの思考に陥ったのか、全く理解不能なんだけど」
「それはプラトンだから見える、何かがあったのかもね」
「ふーん、じゃあさ、多々良しか見えないおじさんは、俺は見れないってこと」
「まあ、そうかもねーだって現にまだ見えてないよね」
「はあ、俺ずっと楽しみにしてるのに」
(ため息ついて、めっちゃ落ち込んでる、そんなに楽しみだったんだ)

「てか多々良はいつから出てきたの、そのおじさん」
「小学5年のクリスマスが初めてかな」
「へえ、なんかきっかけがあったの?」
「…別に何もないよ」
「ふーん」
(本当はあったんだけど、郡司に言うのは、なんか気が引けた)

「クリスマスっていいよな、多々良は友達とクリスマスパーティしてた?」
「え、俺そんな陽キャじゃないから」
「そうなんだ、クリスマスどこにいるの?」
「あーえーとたこ焼きや」
「たこ焼きや?」
「勉強したり、ずっとお世話になってる人がいて」
「え、行きたい!多々良の過去しれるじゃん」
「はい?怖いんだけど、もう俺のストーカーじゃん」
「うん、多々良のストーカーに俺はなる!」
「堂々と宣言するな」
「見てるだけだから、何もしないって」
「郡司って本当に変だね」
「まあ、それほどでも」
「褒めてないって」

郡司は相変わらず、クールではなく、変人だった。俺の事なんだと思ってる?推しとか?ていうかストーカーになるって、どんだけ俺の事思ってるんだよ!っておじさんの事が気になるだけか…もうなんでこんなに、頭ぐちゃぐちゃにしてくるんだよーーー。

・・・
多々良は、駅前のたこ焼き屋「がっちゅーたこ」に入った。その後ろを郡司が、尾行してる。
「がっちゅーたこ」は小学校から、多々良の事をお世話してくれる店長、飯島龍太さんがいた。
「龍太さん帰ったよ、甘辛たこ焼き6個で」
「おー萌、テストどうだ?順調か」
「うん、まだ試験範囲してる、今日も借りるね」
「オールオッケー」
がっちゅーの店内は広くて、たこ焼きを店内で食べれるカウンターと、勉強もできるテーブルがある。テーブル2つにパイプ椅子8つで、十分な広さだ。多々良は一番奥の決まった席で、勉強道具を出していく。

「てか萌、あれ誰だ?やばくねえか、萌のこと見てる?」
「あ、あれは、俺のストーカー」
「は!?どうこと?承認済み?」
がっちゅーの手前にある電柱から、郡司は多々良のことを監視していた。さすがに怪しいて。

「あーもう郡司、そこでずっと見てないで、一緒にたこ焼き食べよ」
「え、いいの?ここが多々良のお世話になってる」
「龍太さんのお店、いつもここで勉強してるし、お世話になってるんだ」
「へーそりゃどうも」
「それと、龍太さんは僕を救ってくれたんだ」
「萌とは小学生からの付きあいだからな、まあ、郡司くんたこ焼き食べたまえ!何がいい」
「じゃあ、おすすめで」
「てかお兄さんは、多々良とどういう関係なんだよ」
「それはそれは仲がいいよ、郡司くんよりもね」
「龍太さん、俺のストーカーにあんま話さないで」
「そうかよ、俺は多々良とは今からなんで」
「今から?」
「ふーん、いいじゃん」
「できあがりーの、はいよ」

多々良はネギ塩たこ焼き、郡司は定番おすすめのソースだ。
「うっまー何これ、とろとろ」
「でしょ、龍太さんのたこ焼きが一番好き、毎日でも食べれる」
「王道ソースやべえわ、ネギ塩もちょうだい」
「うん、はい」
俺のネギ塩たこ焼きごと渡そうとすると、多々良の串でたこ焼きを食べた。
「うまい、俺も一番好き」
「あ、そう」
「そうじゃなくて、俺のも食べて」
「え、いいって」
「いいから」
強引にアーンさせられた、たこ焼きは熱くてやけどしそうになった。
「あっつ!」
「ふふん、してやったり」
「多々良、ソース着いてる」
郡司が俺の口についた、ソースを手で拭いで舐めた。
「…な!」
「ん?なにして!」
ぶあっとたこ焼きのやけどの熱さと、俺の顔がたこ見たいに赤くなった。なんだそのドヤ顔。よくそんな事できるな、ていうか俺らって何なの?友達なの?
おじさんの事だけに集中してたから、曖昧なままだったんだけど。

「あのさ、郡司って俺とは友達なの?」
「友達か、んーなんだろ、もっと特別な関係?」
「え、特別?」
「俺らって友達よりもっと繋がってて、特別な関係だと思う」

今きゅんってした?はてなばかりが浮かんでくる。郡司って無自覚でこんな事言うんだ。俺
が女子だったら、落ちてた…違う違う!全然キュンってしてないから!!
もうなんだよ、でもたこ焼きをバクバク食ってる郡司が笑顔で見てくるから、がっちゅーのたこ焼きを一緒に食べれて本当によかった。

だけど、俺はこれ以上踏み込んできてほしくない。
ーーだってセーラーおじさんは俺のこと。。。