12月に入った。吐く息が白く、空気が澄んでいる。通学路を歩いていると、時々ザクッという感触が足の裏に伝わる。霜柱だ。俺はこの感触がすきで、小学生の頃は霜柱を踏むのに夢中になっていた。さすがに高校生になった今では、そんなことはしないけど。
「あ……」
駅前広場の植え込み近くの土をザクザク踏みしめている奴がいた。音無理人、俺の彼氏だ。
(あいつもああいうことするんだ)
俺を待っている間のただの暇つぶしなんだろうけど、少し子どもっぽい一面がみえて安心した。
「あ、瀬川くん。おはよ~」
俺をみつけると、笑顔で手を振ってきた。こんな寒い朝でもキラキラと輝くかっこいい顔面を見せつけてくる。俺は他人の振りを決め込み、無視して学校へ向かう。
「無視ー??」
音無は慌てて追いかけてきて隣に並ぶ。
「今日は冷えるね~」
そう言って、俺の手を取り指を絡めてくる。
「おいっ、人がいんだろ」
ぼそりと音無に伝えるが、ぎゅっと力を込めて握られる。
「……瀬川くんの手、あったかいから」
特に人目を気にすることなく、ふふっと穏やかに笑っている。自然体な音無に対して、恥ずかしがっている俺がバカみたいに思えてきた。
「……学校着くまでだからな」
握っている手を、俺のダウンジャケットの右ポケットに突っ込んだ。
「ふふっ、ありがとう」
俺たちは、寒い寒いと言いながら肩を寄せて、まだ人がまばらな通学路をゆっくりと歩いた。
俺は体温が高いせいか、真冬でも手があたたかい。音無は冷え性らしく、特に手足が冷たくなる。暖を取るため、俺の手を握ったり抱きしめたりしてカイロ代わりにしてくる。それは別にいいんだけど、最近は人目をはばからず堂々とくっついてくる。教室や廊下でバックハグをし、俺の肩に顎を乗せて、後ろから腹に手を回してくる。吐息が耳に当たるほど距離が近い。これだけならまだギリギリ許容範囲内だがーー
休み時間、トイレに行って教室に戻ろうとしたら、廊下ですれ違った音無に「瀬川くん、ちょっといい?」と手を引かれて再びトイレに連れ戻される。
「さっきしたからもうでねぇぞ」
音無は連れションとかするタイプじゃないのに、と珍しく思っていたら、そのまま個室に連れ込まれて鍵を閉められた。
「おい、もしかして連れウンコか……さすがにそれはーー」
「黙って」
唇に人差し指を押し当てられる。
「古典ガチでだるいー」
「俺、もう寝るわ。あの空気の中で起きてる方が無理」
個室の外で他の男子の声がする。音無はそっと唇から人差し指を離すと、俺の顎に手を添えて上を向かせた。
(え、ちょ、まてまて! こんなところで!?)
心臓がバクバクと音を立てる。逃げ場のない個室の中、吐息がかかる距離まで音無が唇を寄せてきて変な声が出そうになった。
「じっとして? ここにいるのバレちゃう」
それは非常にまずい。俺は観念して、物音を立てないように息を潜めて目を瞑った。音無の唇がそっと重なる。啄むように、何度か俺の唇を食む。その度に、ぎゅうぎゅうと胸が苦しくなる。ちゅっ、と短いリップ音が響くが、外にいる男子は手を洗いながら談笑しているので聞こえていない。それでも、いつバレるか冷や冷やしながら、黙って出ていくのを待つ。
「腹へったわ~」
「早弁してこい」
やっと話声が遠のいていき、人の気配がしなくなった。にも関わらず、音無は俺を解放してくれない。
「……っ、」
背中に腕を回してドンドンと叩いたら、ゆっくりと唇が離れていった。
「……大丈夫? 苦しかった?」
指の腹で俺の唇を拭いながら、心配そうに声をかけてくる。熱を帯びた瞳にじっと見つめられて、耐えられなくて下を向いた。
「……いや、そうじゃなくてーー」
ヴーヴーとポケットでスマホが震えて、ぴくっと身体が揺れる。
「そろそろいこっか」
さっきまで興奮したように鋭い目つきになっていたのに、いつの間にか穏やかな音無に戻っていた。
「先に戻ってろ……」
俺はシッシッと音無を個室から追い出して、ゆっくりと便器に腰かけた。深く息を吐いてから、手のひらで顔を覆う。
「…………なんだよあれ、死ぬかと思った」
熱くなった身体を鎮めてから戻りたかったのに、授業開始を告げるチャイムが鳴ってしまい、俺は慌ててトイレから飛び出して教室に戻った。
***
昼休み、木枯らしが吹く屋上で俺たちは寒い寒いと寄り添いながら弁当を広げる。こんなに寒いんだから屋内で食べようと下野が提案してくれたのに、せっかく誰もいない屋上を満喫できるんだからここで食べないともったいない、と意味の分からない持論を真中がふっかけてきた。凍えながら弁当を食ったが、雪がちらちら舞いだして、さすがに我慢できなくなり校舎内へ戻ることにした。
「も~真中くんのせいで風邪ひいちゃうよ」
「学校休めるんだからむしろラッキーだろ」
「それが狙い? 僕たちまで巻き込まないでくれる?」
「俺たち、運命共同体だろ?」
「やめてよ。一人でご勝手にどうぞ」
真中と下野がいつものように言い合いながら階段を降りている。俺はスマホをみながら、ゆっくりとみんなの後についていく。
「あ、瀬川くん……」
俺の前にいた音無が振り返り、俺を見てなにかに気づいた。スマホから顔を上げると、ちゅっと口元にキスをされた。
「え……」
突然のことに頭が追い付かず、固まってしまった。そんな俺を見て、音無はクスクスと笑う。
「ご飯粒、ついてたから」
指でとんとんと口元を指して教えてくれた。途端に顔が熱くなっていく。
「……いや、普通に言えよ」
音無のすぐ前には、真中と下野がいる。賑やかに喋っていて気づいてないけど、こんなところをみられたら、恥ずかしくて爆死するかもしれない。
「これぐらいだと同じ目線だし、キスするにはちょうどいいよね」
階段の一段下に音無が立っていて、ちょうど俺と同じ目線の高さだ。確かに、音無が屈んだり、俺が背伸びしなくてもキスができるけど。だからと言って、学校の階段でキスするとか、俺は普通に無理なんだけど。
「おまえさ、そういうことばっか考えてんのかよ」
大げさにため息をついてやると、音無は悪びれもせずうんと頷く。
「瀬川くんのことで頭がいっぱいで他のことなんか考えられない」
俺はまた、手のひらで顔を覆った。
「……だからさ、なんで恥ずかしげもなくそういうことが言えんだよ。イケメンこわ……」
音無はからかうようにクスクス笑いながら、ぽんぽんと俺の頭を撫でる。
「だって、本当のことなんだから仕方ないじゃん」
(マジで勘弁してほしい……)
***
つき合い始めてから、週に何度か互いの家を行き来するようになった。特に何をするわけでもないけど、学校以外の場所で落ち着いて二人きりになれるのは自室くらいしかないので、まったりとぐうたらしている。
「ねぇ、これ5巻だけないんだけど」
「え、そんなわけ……あれ?」
今日は俺の部屋に音無が来た。ベッドに座ってマンガを読んでいた音無が、本棚を物色して続きを探している。俺も一緒になって探したけど、なぜか5巻だけみつからない。
「あー真中に貸したままかも。ラインしとくわ」
スマホを手に取り、ラインの真中とのトーク画面を開く。相変わらず、意味不明な文字の羅列やクセ強なスタンプが並んでいて、ぷっと小さくふきだしてしまった。
「あとでいいよ」
俺の手からスマホを抜き取り、画面を下にして机の上に置く。ゆっくりと音無が顔を寄せて、ちゅっと音を立ててキスをした。そしてまた本棚を物色して、次に読むマンガを探している。なんの脈絡もなくキスをしてくるから、実は音無は欧米人なんじゃないかと思い始めてきた。
「……前から言おうと思ってたんだけど」
音無は瞬きしながらじっと俺をみている。
「学校とか、人目があるとこで、こういうのはやめてほしい」
宙を見て何かを考えた後、口を開いた。
「……ってことは、人目がないとこならいいんだよね?」
「え?」
「今みたいに、部屋で二人きりとか」
にやりと笑った音無は、すぐさま俺をベッドに押し倒した。急に視界が真っ白な天井をバッグにした音無に切り替わり、混乱しているうちに顔を寄せてくる。
「だ、だから、そういうことじゃなくてーー」
キスをする寸前のところでぴたっと止まり、俺の上から退いた。俺も身体を起こし、ベッドの上であぐらをかいて音無と向き合う。
「……音無?」
音無はなにかを考えているのか、視線を下げて黙ったままだ。
「……ごめん。調子にのりました」
しばらくの沈黙の後、ぽつりと口を開いた。反省しているのか、眉を下げて申し訳なさそうな顔をしている。
「瀬川くんのことが好きすぎて、頭より先に身体が動いちゃうんだよね。こんなこと初めてで、自分でも戸惑っててーー」
視線を下げて指をいじりながら、ため息をはいた。
「でも、瀬川くんが嫌がることはしたくないから、自重します」
軽く頭を下げる音無。ちゃんと話せばわかってくれるし、本当はいつだって俺のことを尊重してくれてる。それが嫌と言うほど伝わってくるから、俺も音無が愛おしくて仕方ない。
「……キスやハグが嫌ってわけじゃないからな?」
しゅんとしている音無の頭をゆっくりと撫でてやる。音無は顔を上げ、腕を広げて俺を胸の中に包み込んだ。
「このまま連れて帰りたい」
「……お持ち帰り禁止」
「え~、瀬川くんって、ガード堅いよね」
「え? そうか?」
「まぁ、そこが瀬川くんのいいところでもあるけど」
ため息交じりに笑う音無。胸が上下する動きとか、耳元をかすめる吐息とか、音無の体温とか匂いとか。身体がくっついているといろんなものが伝わってきて胸が締め付けられる。つき合う前には知らなかった感覚に、いまだに慣れない。
「俺って、ガード堅いのか……」
「え、なに? 気にしてるの?」
「いや、べつに……」
「絶対気にしてるじゃん」
***
連日、曇りの日が続いていたけれど、今日は少し太陽が顔を出した。雲間から伸びる陽光がキラキラしていて、頬杖をついて、教室の窓からぼんやりとそれを眺める。
「……ガードが堅いって言われたら、どうしたらいいんだろうな」
頭の中で考えていたことを、独り言のように呟いた。下野が真中に課題のプリントを熱心に教えていたのに、俺の呟きを聞いた途端に固まってしまった。
「……言われたって誰に?」
「つき合ってる奴に決まってるだろ」
「……それはつまりーー」
「あ、俺のことじゃなくて、えっと、友達! 友達が言ってた!」
俺はハッとして慌ててごまかした。二人には、俺と音無がつき合っていることを話してない。たぶん、なんとなく気づいてるだろうとは思う。
「べつに、気にすることないんじゃないかな。相手はきっとその人のこと大好きだと思うし、たぶん自然にーー」
下野が真面目にアドバイスをしてくれている途中で、横から真中が下野の口を塞いだ。
「それは大変だ。破局の危機だな。このままだと別れようって言われるかも……」
(は、破局!?)
破局という言葉が出てきて、動揺して前のめりになる。
「破局を回避するにはどうしたらいいんだよ!?」
真中はなぜかふふんと得意げに鼻で笑って
「そんなの簡単。ガードをゆるくしちゃえばいいんだよ」
「ガードをゆるく……?」
真中に口を塞がれている下野が怪訝な顔をしていたが、俺の頭の中はガードをゆるくすることでいっぱいになってしまった。
***
昼休み、さすがに今日は室内で食べようということになり空き教室に集まった。日当たりのいい窓際に机を並べて、各々弁当やパンを食べ始めるが、俺だけ弁当の包みを開けずスマホとにらめっこしていた。
『彼氏にガードが堅いと言われた。このままじゃ破局の危機だ。回避するには、どうしたらいい?具体的に教えてくれ』
スマホのAIに相談してみるとーー
AI:ご相談ありがとうございます。パートナーとの関係性を大切にされているのですね。以下、具体的な提案です。
1.スキンシップの機会を自分から作る:手をつなぐ、肩に寄りかかるなど、小さな行動から始めてみましょう。
2.言葉で気持ちを伝える:「一緒にいると安心する」「もっと近くにいたい」など、素直な気持ちを言葉にすることも効果的です。
3.相手のペースを尊重しつつ、少しずつ歩み寄る:無理に変わろうとせず、自分のペースで少しずつ距離を縮めていくことが大切です。
4.相手に直接、何を望んでいるか聞いてみる:「ガードが堅い」という言葉の真意を、直接確認してみるのも良い方法です。
焦らず、お二人のペースで関係を育んでいってくださいねーー
めちゃくちゃ具体的なアドバイスをしてくれたけど、項目が四つある。
「……これ全部やらなきゃいけないのか? ちょっとハードル高いな」
スマホをみつめながら唸っていると、音無が口に卵焼きを突っ込んできた。甘くて優しい味が口の中に広がる。
「なにブツブツ言ってるの? 早く食べないと昼休みおわっちゃうよ」
「お、おう」
秒でパンを食べ終わった真中はスマホゲームに夢中。下野も、真中がゲームをする様子をみながら弁当を食べている。二人ともこっちを見ていない。今ならいけるかも。素早く包みを開けて弁当をかけこむ。音無と同じタイミングで弁当をたべおえて、スマホをいじり始めた音無をじっとみつめてみた。
「ん? どうしたの?」
すぐに俺の視線に気づいた音無は、スマホから俺へと顔を上げて不思議そうに俺を見ている。まずは、スキンシップの機会を自分から作る。俺は意を決しておずおずと手を伸ばし、音無の空いている方の手に自分の手をそっと重ねた。手は何度もつないでいるのに、自分から手を伸ばすのはなんだかドキドキする。
「……瀬川くん?」
音無が少し驚いたように瞬きをしながらこっちを見る。恥ずかしくて目を合わせられない。じっと手をみたままで、いつも音無がしているみたいにゆっくりと指を絡めてみた。
「……なになに?」
「……べつに、ちょっとしてみただけ」
真中と下野の様子をうかがいながら、小声でこそこそと話す。音無はふっと笑って、力強く握り返してきた。心臓をつかまれたみたいに胸が痛い。
「なんか今日、瀬川くんかわいいね」
「……うるせー」
***
いつも通り一目散に真中が帰宅したので三人で駅に向かい、下野が電車に乗ったのを見送ってから俺たちも電車に乗った。運よく席が空いていて、俺たちはそこに腰を下ろす。スマホをみながら他愛ない話をしている間に次々と乗客が降りていく。
「……電車に揺られてると眠くなるよね~」
「寝ろ。着いたら起こしてやるから」
外はもう真っ暗で、車内の光が反射して鏡のように自分たちが窓に映りこんでいる。隣でうとうとしている音無が、電車の揺れでこっちに寄りかかってきた。
「……あ、ごめん」
すぐに離れていこうとするので、肩を抱いて、音無の頭を俺の肩に強引に寄りかからせた。
「ん……瀬川くん?」
眠そうに顔を上げた音無と目が合う。
「この方が楽だろ」
「んー……ドキドキして寝れないかも」
「じゃあ離れるか?」
「このままでお願いします」
乗客が少なくなった車内に走行音だけが響いて、心地いい揺れに身を任せていると俺も眠くなってきた。そういえばAIのアドバイスに、肩を寄せるとか書いてあったっけ。俺も、音無の方へ頭を預ける。窓には俺たちが頭を寄せ合っている姿が映っている。
「瀬川くん」
「んだよ、まだ起きてんのか?」
「今日、なんかあった?」
「……べつになんもないけど」
「ふ~ん」
しばらくして最寄り駅に到着し、俺たちは頭がぼんやりしたまま電車を降りた。降りた途端、外気の寒さに身体が震え、一気に目が覚めた。
そうだ、思い出した。次は、言葉で気持ちを伝える。
「音無」
「うん?」
前を歩いていた音無は、寒そうに手をこすり合わせながら振り返った。
「……すきだ」
ホームの灯りに照らされた音無は、驚いて目を丸くしている。
「あ……」
(やべ……)
俺も唐突に自分が何を口走ったのか気づいて、手の甲で口元を隠した。
「えっと、瀬川くん??」
心配して顔をのぞき込んでくる音無。俺は恥ずかしすぎて顔をそらす。
「やっぱり、なんかあったんでしょ?」
「……俺が好きだって言ったらおかしいのかよ」
「おかしくないけど、今日はやけに積極的だから」
「……そういう気分だっただけ」
音無はため息をつくと、追及するのを諦めたのか苦笑しながら俺の頭をポンポン撫でる。
「まあ、瀬川くんがそうしたかったんならそれでいいけど」
いや、なんか違う方向にいってる気がする。えっと、次はーー相手のペースを尊重しつつ、少しずつ歩み寄る。って、なにすりゃいいんだ?もうわけわかんなくなってきた。
頭の中がぐちゃぐちゃになって、気づけば目の前の音無のコートの袖をぎゅっと握っていた。
「ガードが堅いって言うからなんとかしようとしたんだけど、うまくいかねぇんだよ」
「……うん?」
「AIからのアドバイスも、よくわかんねぇし」
「……うん」
「おまえは俺に何をしてほしいんだ?」
目を丸くしながら話を聞いていた音無の顔が、だんだん穏やかにゆるんでいく。
「つまり、ガードが堅いって言ったのをずっと気にしてたの?」
「……そうだよ、悪いか」
音無は頭を抱えて「あー」と唸り始めた。色々と間違えて、空回りして、呆れられたのかもしれない。今すぐ消えたい。
突然、ふわっと抱きしめられて、音無の匂いと体温に包まれる。
「……瀬川くん、ほんとかわいい」
「はぁ!?」
「……ごめん、ちょっと抑えるの無理かも」
そう言って俺の手を引き、ホームのエレベーターに乗った。扉が閉まった瞬間、ゆっくりと壁際に手をおしつけられて唇を塞がれる。食べるみたいに何度も唇を重ねた後、ゆるりと舌が入ってきた。びっくりして身体が小さく震える。音無の舌が俺のに絡まって、胸の奥をつかまれたみたいに痛むのに、頭はふわふわしてなにも考えられない。
(やばい……気持ちいいかも……)
エレベーターの扉が開いて、そっと音無が離れていった。俺はボタンを押して、エレベーターの扉を閉めると、音無にぎゅっと抱き着いた。
「せ、瀬川くん……?」
「……なんか、ものたりねぇんだけど」
ドキドキしながら音無を見上げると、真っ赤な顔をした音無が深く息を吐いた。
「……俺のことキュン死にさせたいの?」
「俺の方が死ぬかも……」
「それは困ります」
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
おわり
「あ……」
駅前広場の植え込み近くの土をザクザク踏みしめている奴がいた。音無理人、俺の彼氏だ。
(あいつもああいうことするんだ)
俺を待っている間のただの暇つぶしなんだろうけど、少し子どもっぽい一面がみえて安心した。
「あ、瀬川くん。おはよ~」
俺をみつけると、笑顔で手を振ってきた。こんな寒い朝でもキラキラと輝くかっこいい顔面を見せつけてくる。俺は他人の振りを決め込み、無視して学校へ向かう。
「無視ー??」
音無は慌てて追いかけてきて隣に並ぶ。
「今日は冷えるね~」
そう言って、俺の手を取り指を絡めてくる。
「おいっ、人がいんだろ」
ぼそりと音無に伝えるが、ぎゅっと力を込めて握られる。
「……瀬川くんの手、あったかいから」
特に人目を気にすることなく、ふふっと穏やかに笑っている。自然体な音無に対して、恥ずかしがっている俺がバカみたいに思えてきた。
「……学校着くまでだからな」
握っている手を、俺のダウンジャケットの右ポケットに突っ込んだ。
「ふふっ、ありがとう」
俺たちは、寒い寒いと言いながら肩を寄せて、まだ人がまばらな通学路をゆっくりと歩いた。
俺は体温が高いせいか、真冬でも手があたたかい。音無は冷え性らしく、特に手足が冷たくなる。暖を取るため、俺の手を握ったり抱きしめたりしてカイロ代わりにしてくる。それは別にいいんだけど、最近は人目をはばからず堂々とくっついてくる。教室や廊下でバックハグをし、俺の肩に顎を乗せて、後ろから腹に手を回してくる。吐息が耳に当たるほど距離が近い。これだけならまだギリギリ許容範囲内だがーー
休み時間、トイレに行って教室に戻ろうとしたら、廊下ですれ違った音無に「瀬川くん、ちょっといい?」と手を引かれて再びトイレに連れ戻される。
「さっきしたからもうでねぇぞ」
音無は連れションとかするタイプじゃないのに、と珍しく思っていたら、そのまま個室に連れ込まれて鍵を閉められた。
「おい、もしかして連れウンコか……さすがにそれはーー」
「黙って」
唇に人差し指を押し当てられる。
「古典ガチでだるいー」
「俺、もう寝るわ。あの空気の中で起きてる方が無理」
個室の外で他の男子の声がする。音無はそっと唇から人差し指を離すと、俺の顎に手を添えて上を向かせた。
(え、ちょ、まてまて! こんなところで!?)
心臓がバクバクと音を立てる。逃げ場のない個室の中、吐息がかかる距離まで音無が唇を寄せてきて変な声が出そうになった。
「じっとして? ここにいるのバレちゃう」
それは非常にまずい。俺は観念して、物音を立てないように息を潜めて目を瞑った。音無の唇がそっと重なる。啄むように、何度か俺の唇を食む。その度に、ぎゅうぎゅうと胸が苦しくなる。ちゅっ、と短いリップ音が響くが、外にいる男子は手を洗いながら談笑しているので聞こえていない。それでも、いつバレるか冷や冷やしながら、黙って出ていくのを待つ。
「腹へったわ~」
「早弁してこい」
やっと話声が遠のいていき、人の気配がしなくなった。にも関わらず、音無は俺を解放してくれない。
「……っ、」
背中に腕を回してドンドンと叩いたら、ゆっくりと唇が離れていった。
「……大丈夫? 苦しかった?」
指の腹で俺の唇を拭いながら、心配そうに声をかけてくる。熱を帯びた瞳にじっと見つめられて、耐えられなくて下を向いた。
「……いや、そうじゃなくてーー」
ヴーヴーとポケットでスマホが震えて、ぴくっと身体が揺れる。
「そろそろいこっか」
さっきまで興奮したように鋭い目つきになっていたのに、いつの間にか穏やかな音無に戻っていた。
「先に戻ってろ……」
俺はシッシッと音無を個室から追い出して、ゆっくりと便器に腰かけた。深く息を吐いてから、手のひらで顔を覆う。
「…………なんだよあれ、死ぬかと思った」
熱くなった身体を鎮めてから戻りたかったのに、授業開始を告げるチャイムが鳴ってしまい、俺は慌ててトイレから飛び出して教室に戻った。
***
昼休み、木枯らしが吹く屋上で俺たちは寒い寒いと寄り添いながら弁当を広げる。こんなに寒いんだから屋内で食べようと下野が提案してくれたのに、せっかく誰もいない屋上を満喫できるんだからここで食べないともったいない、と意味の分からない持論を真中がふっかけてきた。凍えながら弁当を食ったが、雪がちらちら舞いだして、さすがに我慢できなくなり校舎内へ戻ることにした。
「も~真中くんのせいで風邪ひいちゃうよ」
「学校休めるんだからむしろラッキーだろ」
「それが狙い? 僕たちまで巻き込まないでくれる?」
「俺たち、運命共同体だろ?」
「やめてよ。一人でご勝手にどうぞ」
真中と下野がいつものように言い合いながら階段を降りている。俺はスマホをみながら、ゆっくりとみんなの後についていく。
「あ、瀬川くん……」
俺の前にいた音無が振り返り、俺を見てなにかに気づいた。スマホから顔を上げると、ちゅっと口元にキスをされた。
「え……」
突然のことに頭が追い付かず、固まってしまった。そんな俺を見て、音無はクスクスと笑う。
「ご飯粒、ついてたから」
指でとんとんと口元を指して教えてくれた。途端に顔が熱くなっていく。
「……いや、普通に言えよ」
音無のすぐ前には、真中と下野がいる。賑やかに喋っていて気づいてないけど、こんなところをみられたら、恥ずかしくて爆死するかもしれない。
「これぐらいだと同じ目線だし、キスするにはちょうどいいよね」
階段の一段下に音無が立っていて、ちょうど俺と同じ目線の高さだ。確かに、音無が屈んだり、俺が背伸びしなくてもキスができるけど。だからと言って、学校の階段でキスするとか、俺は普通に無理なんだけど。
「おまえさ、そういうことばっか考えてんのかよ」
大げさにため息をついてやると、音無は悪びれもせずうんと頷く。
「瀬川くんのことで頭がいっぱいで他のことなんか考えられない」
俺はまた、手のひらで顔を覆った。
「……だからさ、なんで恥ずかしげもなくそういうことが言えんだよ。イケメンこわ……」
音無はからかうようにクスクス笑いながら、ぽんぽんと俺の頭を撫でる。
「だって、本当のことなんだから仕方ないじゃん」
(マジで勘弁してほしい……)
***
つき合い始めてから、週に何度か互いの家を行き来するようになった。特に何をするわけでもないけど、学校以外の場所で落ち着いて二人きりになれるのは自室くらいしかないので、まったりとぐうたらしている。
「ねぇ、これ5巻だけないんだけど」
「え、そんなわけ……あれ?」
今日は俺の部屋に音無が来た。ベッドに座ってマンガを読んでいた音無が、本棚を物色して続きを探している。俺も一緒になって探したけど、なぜか5巻だけみつからない。
「あー真中に貸したままかも。ラインしとくわ」
スマホを手に取り、ラインの真中とのトーク画面を開く。相変わらず、意味不明な文字の羅列やクセ強なスタンプが並んでいて、ぷっと小さくふきだしてしまった。
「あとでいいよ」
俺の手からスマホを抜き取り、画面を下にして机の上に置く。ゆっくりと音無が顔を寄せて、ちゅっと音を立ててキスをした。そしてまた本棚を物色して、次に読むマンガを探している。なんの脈絡もなくキスをしてくるから、実は音無は欧米人なんじゃないかと思い始めてきた。
「……前から言おうと思ってたんだけど」
音無は瞬きしながらじっと俺をみている。
「学校とか、人目があるとこで、こういうのはやめてほしい」
宙を見て何かを考えた後、口を開いた。
「……ってことは、人目がないとこならいいんだよね?」
「え?」
「今みたいに、部屋で二人きりとか」
にやりと笑った音無は、すぐさま俺をベッドに押し倒した。急に視界が真っ白な天井をバッグにした音無に切り替わり、混乱しているうちに顔を寄せてくる。
「だ、だから、そういうことじゃなくてーー」
キスをする寸前のところでぴたっと止まり、俺の上から退いた。俺も身体を起こし、ベッドの上であぐらをかいて音無と向き合う。
「……音無?」
音無はなにかを考えているのか、視線を下げて黙ったままだ。
「……ごめん。調子にのりました」
しばらくの沈黙の後、ぽつりと口を開いた。反省しているのか、眉を下げて申し訳なさそうな顔をしている。
「瀬川くんのことが好きすぎて、頭より先に身体が動いちゃうんだよね。こんなこと初めてで、自分でも戸惑っててーー」
視線を下げて指をいじりながら、ため息をはいた。
「でも、瀬川くんが嫌がることはしたくないから、自重します」
軽く頭を下げる音無。ちゃんと話せばわかってくれるし、本当はいつだって俺のことを尊重してくれてる。それが嫌と言うほど伝わってくるから、俺も音無が愛おしくて仕方ない。
「……キスやハグが嫌ってわけじゃないからな?」
しゅんとしている音無の頭をゆっくりと撫でてやる。音無は顔を上げ、腕を広げて俺を胸の中に包み込んだ。
「このまま連れて帰りたい」
「……お持ち帰り禁止」
「え~、瀬川くんって、ガード堅いよね」
「え? そうか?」
「まぁ、そこが瀬川くんのいいところでもあるけど」
ため息交じりに笑う音無。胸が上下する動きとか、耳元をかすめる吐息とか、音無の体温とか匂いとか。身体がくっついているといろんなものが伝わってきて胸が締め付けられる。つき合う前には知らなかった感覚に、いまだに慣れない。
「俺って、ガード堅いのか……」
「え、なに? 気にしてるの?」
「いや、べつに……」
「絶対気にしてるじゃん」
***
連日、曇りの日が続いていたけれど、今日は少し太陽が顔を出した。雲間から伸びる陽光がキラキラしていて、頬杖をついて、教室の窓からぼんやりとそれを眺める。
「……ガードが堅いって言われたら、どうしたらいいんだろうな」
頭の中で考えていたことを、独り言のように呟いた。下野が真中に課題のプリントを熱心に教えていたのに、俺の呟きを聞いた途端に固まってしまった。
「……言われたって誰に?」
「つき合ってる奴に決まってるだろ」
「……それはつまりーー」
「あ、俺のことじゃなくて、えっと、友達! 友達が言ってた!」
俺はハッとして慌ててごまかした。二人には、俺と音無がつき合っていることを話してない。たぶん、なんとなく気づいてるだろうとは思う。
「べつに、気にすることないんじゃないかな。相手はきっとその人のこと大好きだと思うし、たぶん自然にーー」
下野が真面目にアドバイスをしてくれている途中で、横から真中が下野の口を塞いだ。
「それは大変だ。破局の危機だな。このままだと別れようって言われるかも……」
(は、破局!?)
破局という言葉が出てきて、動揺して前のめりになる。
「破局を回避するにはどうしたらいいんだよ!?」
真中はなぜかふふんと得意げに鼻で笑って
「そんなの簡単。ガードをゆるくしちゃえばいいんだよ」
「ガードをゆるく……?」
真中に口を塞がれている下野が怪訝な顔をしていたが、俺の頭の中はガードをゆるくすることでいっぱいになってしまった。
***
昼休み、さすがに今日は室内で食べようということになり空き教室に集まった。日当たりのいい窓際に机を並べて、各々弁当やパンを食べ始めるが、俺だけ弁当の包みを開けずスマホとにらめっこしていた。
『彼氏にガードが堅いと言われた。このままじゃ破局の危機だ。回避するには、どうしたらいい?具体的に教えてくれ』
スマホのAIに相談してみるとーー
AI:ご相談ありがとうございます。パートナーとの関係性を大切にされているのですね。以下、具体的な提案です。
1.スキンシップの機会を自分から作る:手をつなぐ、肩に寄りかかるなど、小さな行動から始めてみましょう。
2.言葉で気持ちを伝える:「一緒にいると安心する」「もっと近くにいたい」など、素直な気持ちを言葉にすることも効果的です。
3.相手のペースを尊重しつつ、少しずつ歩み寄る:無理に変わろうとせず、自分のペースで少しずつ距離を縮めていくことが大切です。
4.相手に直接、何を望んでいるか聞いてみる:「ガードが堅い」という言葉の真意を、直接確認してみるのも良い方法です。
焦らず、お二人のペースで関係を育んでいってくださいねーー
めちゃくちゃ具体的なアドバイスをしてくれたけど、項目が四つある。
「……これ全部やらなきゃいけないのか? ちょっとハードル高いな」
スマホをみつめながら唸っていると、音無が口に卵焼きを突っ込んできた。甘くて優しい味が口の中に広がる。
「なにブツブツ言ってるの? 早く食べないと昼休みおわっちゃうよ」
「お、おう」
秒でパンを食べ終わった真中はスマホゲームに夢中。下野も、真中がゲームをする様子をみながら弁当を食べている。二人ともこっちを見ていない。今ならいけるかも。素早く包みを開けて弁当をかけこむ。音無と同じタイミングで弁当をたべおえて、スマホをいじり始めた音無をじっとみつめてみた。
「ん? どうしたの?」
すぐに俺の視線に気づいた音無は、スマホから俺へと顔を上げて不思議そうに俺を見ている。まずは、スキンシップの機会を自分から作る。俺は意を決しておずおずと手を伸ばし、音無の空いている方の手に自分の手をそっと重ねた。手は何度もつないでいるのに、自分から手を伸ばすのはなんだかドキドキする。
「……瀬川くん?」
音無が少し驚いたように瞬きをしながらこっちを見る。恥ずかしくて目を合わせられない。じっと手をみたままで、いつも音無がしているみたいにゆっくりと指を絡めてみた。
「……なになに?」
「……べつに、ちょっとしてみただけ」
真中と下野の様子をうかがいながら、小声でこそこそと話す。音無はふっと笑って、力強く握り返してきた。心臓をつかまれたみたいに胸が痛い。
「なんか今日、瀬川くんかわいいね」
「……うるせー」
***
いつも通り一目散に真中が帰宅したので三人で駅に向かい、下野が電車に乗ったのを見送ってから俺たちも電車に乗った。運よく席が空いていて、俺たちはそこに腰を下ろす。スマホをみながら他愛ない話をしている間に次々と乗客が降りていく。
「……電車に揺られてると眠くなるよね~」
「寝ろ。着いたら起こしてやるから」
外はもう真っ暗で、車内の光が反射して鏡のように自分たちが窓に映りこんでいる。隣でうとうとしている音無が、電車の揺れでこっちに寄りかかってきた。
「……あ、ごめん」
すぐに離れていこうとするので、肩を抱いて、音無の頭を俺の肩に強引に寄りかからせた。
「ん……瀬川くん?」
眠そうに顔を上げた音無と目が合う。
「この方が楽だろ」
「んー……ドキドキして寝れないかも」
「じゃあ離れるか?」
「このままでお願いします」
乗客が少なくなった車内に走行音だけが響いて、心地いい揺れに身を任せていると俺も眠くなってきた。そういえばAIのアドバイスに、肩を寄せるとか書いてあったっけ。俺も、音無の方へ頭を預ける。窓には俺たちが頭を寄せ合っている姿が映っている。
「瀬川くん」
「んだよ、まだ起きてんのか?」
「今日、なんかあった?」
「……べつになんもないけど」
「ふ~ん」
しばらくして最寄り駅に到着し、俺たちは頭がぼんやりしたまま電車を降りた。降りた途端、外気の寒さに身体が震え、一気に目が覚めた。
そうだ、思い出した。次は、言葉で気持ちを伝える。
「音無」
「うん?」
前を歩いていた音無は、寒そうに手をこすり合わせながら振り返った。
「……すきだ」
ホームの灯りに照らされた音無は、驚いて目を丸くしている。
「あ……」
(やべ……)
俺も唐突に自分が何を口走ったのか気づいて、手の甲で口元を隠した。
「えっと、瀬川くん??」
心配して顔をのぞき込んでくる音無。俺は恥ずかしすぎて顔をそらす。
「やっぱり、なんかあったんでしょ?」
「……俺が好きだって言ったらおかしいのかよ」
「おかしくないけど、今日はやけに積極的だから」
「……そういう気分だっただけ」
音無はため息をつくと、追及するのを諦めたのか苦笑しながら俺の頭をポンポン撫でる。
「まあ、瀬川くんがそうしたかったんならそれでいいけど」
いや、なんか違う方向にいってる気がする。えっと、次はーー相手のペースを尊重しつつ、少しずつ歩み寄る。って、なにすりゃいいんだ?もうわけわかんなくなってきた。
頭の中がぐちゃぐちゃになって、気づけば目の前の音無のコートの袖をぎゅっと握っていた。
「ガードが堅いって言うからなんとかしようとしたんだけど、うまくいかねぇんだよ」
「……うん?」
「AIからのアドバイスも、よくわかんねぇし」
「……うん」
「おまえは俺に何をしてほしいんだ?」
目を丸くしながら話を聞いていた音無の顔が、だんだん穏やかにゆるんでいく。
「つまり、ガードが堅いって言ったのをずっと気にしてたの?」
「……そうだよ、悪いか」
音無は頭を抱えて「あー」と唸り始めた。色々と間違えて、空回りして、呆れられたのかもしれない。今すぐ消えたい。
突然、ふわっと抱きしめられて、音無の匂いと体温に包まれる。
「……瀬川くん、ほんとかわいい」
「はぁ!?」
「……ごめん、ちょっと抑えるの無理かも」
そう言って俺の手を引き、ホームのエレベーターに乗った。扉が閉まった瞬間、ゆっくりと壁際に手をおしつけられて唇を塞がれる。食べるみたいに何度も唇を重ねた後、ゆるりと舌が入ってきた。びっくりして身体が小さく震える。音無の舌が俺のに絡まって、胸の奥をつかまれたみたいに痛むのに、頭はふわふわしてなにも考えられない。
(やばい……気持ちいいかも……)
エレベーターの扉が開いて、そっと音無が離れていった。俺はボタンを押して、エレベーターの扉を閉めると、音無にぎゅっと抱き着いた。
「せ、瀬川くん……?」
「……なんか、ものたりねぇんだけど」
ドキドキしながら音無を見上げると、真っ赤な顔をした音無が深く息を吐いた。
「……俺のことキュン死にさせたいの?」
「俺の方が死ぬかも……」
「それは困ります」
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
おわり



