君と幸せなサヨナラをしよう。

そんな真空の時間を先に破ったのは私ではない。


「……少しくらい応援してよね。友達なんだから」


たっぷり息を含ませた声はどこか弱々しく、けれどしっかりした輪郭をかたどる。


応援するよ、なんて癪な言葉は言えない。

ユウ先輩の気持ちに一番近いところにいるであろう私がそんなこと言うとか皮肉にも程がある。


じゃあなんて言えばいいんだろう。

一緒に頑張ろうね?
告白うまくいくといいね?
決断力がすごいね?

違う、そんなんじゃない。


私はもう大事なものを失いたくないし、それは彼女だって同じだ。

大事な大事な、友達を。


しろっきーとは、たとえどんな状況でも、辛いことは支え合いたいし、嬉しいことは共有したいし、どんなときも味方でありたい。


「私はしろっきーのこと、大大大大好きだからね!!」


気づけば自然と唇からこぼれていた。

愛の告白みたいに綺麗な音にはならなかったけど、友情を壊したくない一心で精いっぱい発声した。