君と幸せなサヨナラをしよう。

だめだめ、最悪のケースなんて考えない考えない。

看護師として患者を救うために最大限を尽くつことだけを考えなきゃ。


表情や呼吸をしっかり見て状況をきちんと説明する。それが私に今できること。


しばらくして落ち着いたところで、しょーくんの顔色をうかがう。


「大丈夫?ゆっくり呼吸してね」

「……」


ちら、と私の顔を見てすぐにそらす。

伏目がちで立ち上がり、ゆっくりと歩行する。


「支えるよ、肩使って?」

「……いや大丈夫」

「でも、」


いらない、と素っ気なく返事した君は点滴スタンドを歩行補助にしてふらふらと扉に向かっていく。


急いで追いかけて引き戸を開け、それからは無言で検査室まで一緒に歩いていった。




「──以上です、よろしくお願いします」

「はーい、終わったら呼びますねー。では深谷さんはこちらへ」


放射線科の若い男性技師さんへ無事に引き継ぎ、なんとか一段落の任務完了。

ふう、と肩の力を抜いたのも束の間、次の業務に移るため急いで来た道を戻る。