君と幸せなサヨナラをしよう。

するとしょーくんはふっと嘲笑を浮かべ片手で顔を覆うと、ベッドの柵に肘をついて言う。


「…なんでだろーね」

「え?」

「こんな形で再会するとか最悪」

「っ……」


その言葉は「二度と会いたくなかった」という意味に聞こえて、心を切り裂くように痛めつける。

私にとって忘れられなかった鮮やかな2年間は、君にとっては“最悪”に塗り潰されていたんだと。

私だけだったんだ、と突きつけられた気がした。



「もう思い出したくなかったのに」


私だって。

毎日毎日しょーくんのこと思い出すの、もう嫌だよ。

あの日の笑顔も、つないだ手のぬくもりも、くだらない会話も、何もかも。


思い出すたびに今が苦しくて、哀しくて、淋しくて、
何も知らなかったあの頃に戻りたくなってしまうから。

もう無理なのに。



「……私だって、」


早く忘れたいよ、と口を開こうとした刹那。




ピーピーピーピーッ!


胸元のピッチが勢いよく鳴り響き、お互いビクッと肩を揺らした。