君と幸せなサヨナラをしよう。

なに塞ぎ込んでんだよ、あいつの分まで精一杯生きろよって。
お前が今後の人生を幸せに生きなきゃあいつがあの世で自分を責めるだろうって。

その言葉で目が覚めて、それからちゃんと学校にも行って、怪我や病気の人を助けたいという夢も出来て、今こうして看護師やってる」


先輩の声が切なくて、でもたくましくて、じんわりと胸に熱が灯る。

その気持ちを糧に仕事を全うしていたんだ。


「尊敬します……」


先輩はしっかり前を向いている。

大事なものをなくしても、こうして前進しているんだ。


「あのとき気付かせてくれたご両親のおかげだよ。もしあのまま放っておいたら、僕は孤独に押し潰されて今ここにいなかったかもしれない。

僕にとって、ひとつの区切りになったんだ。
あいつのことは今でもふとした時に思い出すし、夢で一緒に遊んでたりもするけどね、
もうこの世にはいないんだって思い直す。

あいつの分まで笑って生きること。それが僕にとってあいつと交わすサヨナラの言葉だと思ってる」