君と幸せなサヨナラをしよう。

さり気なく壁の絵画を見る素振りで目をそらす。

隅っこにskyという細い文字があって、skyさんが描いた絵なのだろう。

私にはこのノスタルジックな芸術がどれほど凄いのか理解できないけれど、感傷的な気分のときに眺めたら心が揺さぶられるのかもしれない。


感傷的な気分といえば、私はひとりになると常にセンチメンタルだ。

ずっと君のとなりにいることが当たり前になっていたから、別れて初めて孤独の感傷を支えてもらっていたんだと気づく。


君はいま何をしているんだろう。

病院のベッドで何を考えているんだろう。

君のいなかった2年間、私は一体何をしていたんだろう。


急に寂しさと孤独感に襲われる。


……まさかこの絵にそんな力があるとは。

むっと睨んでみても絵は態度を変えるわけがない。




「すずちゃん、何か悩みごとでもあるの?」

「ふぇっ!」


はっと我に返ると先輩が心配そうにこちらをうかがっていた。