君と幸せなサヨナラをしよう。

まあそれもあるけど、九堂先輩は密かに人気者なので周りの目が怖いんです、なんてどう説明すればいいのかわかんないから、とりあえずコクコク頷くしかできない。



「その、日曜日のことなんですけど、」

「ああ、それならもうお店予約したけど……あれ、僕まだ連絡してなかったっけ」

「えっ、予約……、」


ありがとうございます、と語尾が小さくなってしまったが九堂先輩は気に留める様子はない。


「すっげー楽しみにしてるよ。このおかげで仕事も奮うねー」


にっこり笑顔で肩を回す九堂先輩は、まるで仔犬がしっぽを振ってるみたい。
私には見える、高速で左右に動く毛並みが。


ああ……断るに断れないじゃないか……。

もう予約も取っていただいてるし、今さらやっぱり行けませんなんて言えないよ。


手遅れという概念は昨日捨てたはずなのに、早速こっちで回収しちゃった。とほほ。