君と幸せなサヨナラをしよう。

そのいきだ!と応援団しろっきーのエールを受け取り、息を止めて重たいグラスを一気に傾けた。

からだの中心に冷涼が走り、キーンとこめかみが絶叫する。

軽くなったグラスをテーブルに叩けば、内から前向きなエネルギーがみなぎった。


確かめたいこと、言いたかったこと、全部ぜんぶ君に伝えたい。

そうしたらきっと、この後悔が消えるかもしれないと思った。



ブブ、とスマホが震えたのを黒いスラックスの左ポケットで感じた。

飲むときはもうあんな無防備にテーブルには置かないんだからね。


誰かな、帰り道に確認しよ、と思って、ふと今一番やり取りしているユウ先輩との約束が脳裏に浮かんだ。


日曜日のデート……。


やっぱり今は、自分の気持ちに区切りをつけることを優先したい。

過去を引きずったままのこの状態で九堂先輩の好意を向けられるのは、私が耐えられそうにない。


仕事ではマルチタスクをこなせるけれど、人間関係においては器用じゃないので同時進行なんてできないんだ。