君と幸せなサヨナラをしよう。

「っはい!えっと、新規、アナムネ、バイタル、ルート準備、ダブチェですね」


ベテラン看護師の高らかな早口言葉を素早くメモりながら復唱し、全神経をマルチタスクモードに切り替える。

きっと明日にはこのヘビみたいな文字列は読解できない。

すると突然、ドンッと右肩が揺れてペンが文字の上を滑った。


「わっ」

「あ、ごめんごめん、まだいたんだ」

「すみません、すぐやります!」

「新人とは言えもう3か月も経つんだからそんなトロいようじゃ仕事にならないよ。しっかりしなさいね」

「す、すみません……」


うう……ちょっと怖いよこの上司。前まではもう少し優しかったのに最近あたりが強い。

もしかしたら私、他の人に比べて仕事の覚えが悪いかもしれない。

もっと頑張らなきゃ、と思い自分に鞭を打ってテキパキと動く。