君と幸せなサヨナラをしよう。


“ユウspとランチ”


書き終えてふと手が止まる。



……え、これって、デートじゃない?

仕事飲みじゃない。
日曜日に先輩とランチなんて、正真正銘ただのデートだ。


社会人3か月目、初めてのデートのお誘い。

ふつうなら、わくわくする出来事。

ふつう、なら。



「楽しみだわー」


先輩の弾む声が遠くに聞こえた。


「私も楽しみです」


うまく笑えているかな。

純粋に楽しみだと思えたらいいのに、やっぱり何かが引っかかってしまう。

手帳とペンをポケットに戻し、カフェオレをすする。


「お店探しとくけどリクエストある?」

「あっ、えーっと……パスタ、とか」

「お、パスタならいいお店結構あるよ。僕のおすすめはココと、ココと……」


地図アプリを開いた画面をこちらに寄せてくれて、指でいくつか示す。

見え辛くて顔を近づけると、不意におでこがぶつかってしまった。


「あっ、すいませ……」


見上げるとユウ先輩はサッと離れて横を向く。