君と幸せなサヨナラをしよう。

ユウ先輩、ともう一度確認するようにその名を口の中でころがすと、先輩の横顔がこちらを向いてはにかむ。


「ちょっと照れるけど嬉しい」

「ふふっ。ユウ先輩はいつの間にかすずちゃんって呼んでましたけど」

「うっ、バレてたかー」

「バレバレですーっ」


そんなスマートなのかお茶目なのかよくわからない先輩は、どうやら駅まで送ってくれるようだからきっとスマートなんだ。


夜の駅って、そこだけ異質な光を放っていてやけに眩しいと思う。

でも近づくにつれてそんな異常事態は消え、むしろ人々に安心感を燈す。



「今日はごちそうさまでした。とっても楽しかったし良い息抜きになりました。しかも送ってくださってありがとうございます」


改札前でもう一度お礼を伝えると、ユウ先輩は一瞬目を見開いたがすぐに戻って、爽やかな笑顔になる。


「うん、こちらこそ長い時間ありがとうね」

「ではまた。お疲れ様です」

「お疲れ様。気をつけてね」


はい、と返事をして改札を通過する。