君と幸せなサヨナラをしよう。

ふと先輩が汗のかいたグラスを持ち、こちらへ寄せる。


「じゃあ改めて、乾杯〜」


私も届いたばかりのオレンジ色を持って軽くぶつける。


「お疲れ様でーす!」


コツン、と可愛らしい音を合図に、私たちのディナータイムが始まった。


甘酸っぱいサワーを一気に流し込む。
炭酸で喉と目の奥がじんわりした。


「ぷはー」

「イイ飲みっぷりだねー」

「腹ぺこなんです」

「今日は気にせず好きなもの食べな、ご馳走するから」

「えっ、いいですよそんな!」

「僕が誘ったんだから甘えてください、新人さん?」


やわらかいのに有無を言わさない口調はさすが先輩だなと感じて従うしかなかった。


「っ、甘えさせていただきます!」

「それでよし」


大きく頷き、注文端末を私の方へ寄せる。

いただきます、と手を合わせて食べ始めたら、見ていた九堂先輩も微笑んで箸を持った。