君と幸せなサヨナラをしよう。



…──退勤時刻はあっという間にやってきた。

こんな日に限って皮肉なほど忙しい。


「うわーん終わらないよ〜」


画面に向かって小さく独り言…のつもりが、にゅっと横に現れた人物によって独り言ではなくなる。


「大丈夫?あー、その先生かー……」

「く、九堂先輩!はい、まだ内服の確認取れてなくて」

「おっけ、僕行ってくるわ」

「えっ、行くってどこに……」


言い終わる前に走り去ってしまった後ろ姿。

きっと外来対応中の先生のところに向かっているのだろう。

この先生、忙しいのは百も承知だけど、コールしても全然出てくれないし、奇跡的に繋がっても患者対応と言って絶対会話の途中で切れてしまう。

直接確認しに行くほうが早いけど、私も今日はそんな余裕が無いくらいに多忙。


「よぉし、やるぞ!」


九堂先輩が走ってくれている間に早くこの積み上がったタスクたちを片付けなければ。

エア袖まくりをして目をメラメラ燃やして素早く仕事を消化していく。