君と幸せなサヨナラをしよう。

断ろうとも思った。

それで不機嫌になるような人じゃないし、別に先輩と飲みに行きたくないわけじゃないから3人で行きましょうって言えたはず。

その選択をしなかったのは私。
二人で行くことを決めたのは私。
先輩の期待に応えるようなことをしているのは、私。

でも、それはなんだか、過去を上書きで誤魔化したいだけのように思えてきた。

先輩の好意を上塗りの画材として扱っているみたいで、そんな自分が薄汚くて卑怯だ。

どうしたって、いつだって、忘れられなかった君。
そう簡単に塗り潰せるのだろうか。

しろっきーは忘れる必要はないって言ってくれたけど。

こんな汚らわしい私のまま、誰かに近づくなんてこと許されるのかな。


考えれば考えるほど、私は一体何をしてるんだろうという気持ちに苛まれる。

やっぱり私はまだ大人になれていない。

しろっきーみたいに、清々しく胸を張って歩きたいなと強く思った。

その憧れだけを込めて、バタンとロッカーの戸を閉めた。