君と幸せなサヨナラをしよう。



 * * *



黄金の絨毯が、私たちの歩む方向へ果てしなく敷かれている。

やわらかい秋風がイチョウの肌を撫でるたびに揺れ、いくつか舞い落ちてゆく。

私のワンピースの裾がふわりとなびいて、両ふくらはぎにへばりついた。


「秋晴れだねー、気持ちいい〜」


ぐーっと両手を組んで思いっきり頭上へ伸ばして肩こりをほぐす。

すると隣を歩く君が真似をする。


「んー…、やっぱり外の空気は最高だ」


しょーくんの整った顔はあくびをしても様になるから羨ましい。

本当に格好いいなあ。


「ふわあ……うつっちゃったじゃん、あくび」

「見惚れてたハナが悪い」


うっ。横目で盗み見てたのばれてた。

今日で見納めだと思うと、1秒でも長くしょーくんの顔を記憶に刻みたいんだ。


「せ、せっかくだしクレープでも食べようよ!みてみて、キッチンカーある!」

「おー、うまそ」

「やった、決まりね、どれにしようかな〜」


うーん、と悩みながらメニュー看板を眺めるしょーくんを眺める、私。