君と幸せなサヨナラをしよう。

まぶたを上げると、ハナは苦しそうに笑っていた。


「一日だけ、君の時間をちょうだい」

「え?」

「一日だけでいいの。私が君と幸せなサヨナラをできるように、私と一緒にデートしてくれませんか」


そんなことしたら、俺が忘れられなくなってしまうじゃないか。

やめろ。やめろやめろやめろ。
これ以上好きって言うな。
サヨナラって言うな。
何も言うな。
何も考えるな。
苦しい顔するな。
泣くな。

もう、これ以上……

好きに、なるな。


「デートしたって、俺たちはもう、もとに戻れない。何をしたって、苦しくなるだけだ、お前を忘れられなくなるだけだ、前に進めなくなるだけだ!だからもう二度と会いたくなかった!こんな情けない姿だって見せたくなかった!こんな俺じゃハナを幸せにできない!ハナを守れない!ハナの重荷になる!そんな未来が嫌だから、俺は、俺は……っ」


あの日、別れを告げたのに。