君と幸せなサヨナラをしよう。

「ごめん。人とまともに話すの久しぶりすぎて調子狂った」

「ふふふ、もちろん理解してるわ。同じ闘病者と現役看護師さんが来たんだから」


これ差し入れよ、といつものように蘭が冷蔵庫へゼリーを入れる。

続いてハナも何かをサイドテーブルに置いて袋から取り出す。


「……コーヒーだよ、好きだったブランドの。ノンカフェインのやつだけど」


半分は冷やしておくね、と数本は蘭に渡して冷蔵庫へやる。


「よく覚えてるね」

「……うん、忘れないよ」

「……、」


なんで?と言いかけてやめた。


「じゃあわたし、今日はみのりんのとこも行く約束してるから失礼するわ。おふたりさんはごゆっくりね」

「は?」


ごきげんよう〜と華麗に去っていった蘭は、お見舞いと称して置き土産を残していっただけじゃないか。

ゼリーはいいとして、元カノとふたりきりなんて気まずい以外の何者でもない。