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「よく頑張りましたね。明日から一般病棟に移って、経過観察しながらリハビリしましょう」
ようやく。その一言に尽きる。
大量に血を吐いた日、ついに死ぬのかと思った。
遠のく意識のなか、これまでの人生の走馬灯が駆け巡り、最期に見えたのはハナの泣き顔だった。
やっぱり忘れなくてよかったと思った。
最期くらい、愛しい人の顔を想って死にたい。
しかし俺はそう簡単に死ななかったようで、一命を取り留めた。
とはいえその後は、苦行の治療に挑み、心身疲れ果て、何度も限界を目の当たりにし、生きた心地はしなかった。
当たり前に外出禁止、厳しい面会制限や持参物の制限、来る人は皆ロボットみたいな防護服で必要最低限の接触。
腫れ物に触るような扱いをされているみたいだった。
生きるのをやめたいと思った。
でも、泣いているハナの前では死ねないとも思った。
最期くらい、愛しい人の顔を想って死にたいけど、
それは泣き顔じゃ嫌だと思った。
とことん欲張りな男だと、自分に呆れた。
