「んで何の話だっけ」
「あっ、えーと、しょーくんの大学も健康診断終わった?って聞いたの」
「っ、」
喉に流し込んだコーヒーがむせそうになって急いで息を止める。
ちら、と彼女を見ると手元のカフェオレに目をやっていたところで危機一髪、気付かれていなかった。
「こないだね、その結果来てオールAだったんだー。勉強の成績はボロボロだったけどね、それだけは自慢できるの〜」
えへへ、と子供みたいに無邪気な笑みを浮かべる。
これは彼女にとって他愛のない会話の一つで、きっと明日には忘れている日常会話レベルの些細な話。
でも今の俺にとっては耳を塞ぎたくなる内容で、きっと明日も明後日も頭から離れない悲痛な話。
大学で実施された全員対象の健康診断、それこそ悲劇のきっかけだったから。
