君と幸せなサヨナラをしよう。


「そうですよね、すみませんでした!深谷さんはまだ確定診断は受けていないですし、こちらは失礼ですよね」


俺の冷たい視線を跳ねのけるようにパッと明るく表情を変え、凍りつきそうだった空気を一気に温める。

看護師は資料をファイルにしまい、再び記入用紙に手を添えて書くよう促した。


今思えばそのガイドブックはみんなに配っているものだろうし、有意義な情報源になるものだったと思う。

当時の幼稚な言動をした自分を殴りたいくらい恥ずかしい。


それほど受け入れられない事実だったんだろう。



それから1週間後に精密検査を行い、1か月ほどで結果が出た。


こんなに短期間で何度も病院へ行くなんて人生で初めてのことで正直しんどかった。

でも、そんなの序の口で、これからもっと壮大な悲劇が待ち受けているなんて未来、このときは想像もできなかった。



「悪性リンパ腫、ステージ2です」



診断は確定した。