君と幸せなサヨナラをしよう。

にしても可哀想だなあ、小川さん。
なんであの上司はよりによって実習生をターゲットにするんだよ。


あの上司とはこの先も馬が合わなさそうだ。

ついでに嫌味を言ってきたあの同僚とも仲良くなれそうにない。


「はあ……」


人との出会いは素敵なものばかりじゃない。

嫌味や嫉妬を向けられて疲弊することだってあるし、上手く付き合っていけなくて泣きそうになることもある。

でもそれは、意外な形で唐突に、誰かを支えるために活かせることもあるのかもしれない。

同じ境遇で孤独や痛みを感じる誰かに共感したり、励ましたり、一緒に泣いたり。


いつかそのネガティブな出会いとサヨナラできる日が訪れたとき、この出会いがなければ知ることのできなかった感情があるから、一周まわって出会えてよかったと思えるのだろう。



「小川さんが報われますように……」


口の中でそう唱えて、スタッフステーションに戻って、小川さんの生き生きとした姿を見送って、本日の業務を終了した。