君と幸せなサヨナラをしよう。

すっと蘭さんの手が伸びて、テーブルの上に置いていた私の手を包む。


「しょーくんにはたくさん励まされてきたから、今度はわたしも、彼を支えられる一人になりたいわ。こんな状況になって残念だけど、わたしはまだまだ諦めてないし、ハナさんもどうか気をしっかり持って」

「……うん、ありがとう」

「これまで見てきた仲間たちも、わたし自身も、体調が悪くなったり良くなったり繰り返しだけど、それでもお互いに励まし合って、誰も諦めていなかったわ」


蘭さんはこれまで病気で大変な思いを味わってきた同士との記憶をなぞるように目を細める。

なった人にしかわからない苦悩を、互いに手を取り合って、乗り越えてきたんだ。



「そうは言っても、やっぱりお別れするときは悲しい気持ちになるけど……でも、わたしは出逢えたことに感謝するようにしてるの。

たくさんたくさん、ありがとう、出逢ってくれてありがとう、そう思ってお別れすると、悼みも喪失感も不思議と消えていく気がするわ」