君と幸せなサヨナラをしよう。


なんだか急かされているようで落ち着かないままようやく食べ終わった私は、パタンとお弁当箱の蓋を閉じて蘭さんを見る。

先に口を開いたのは蘭さん。


「ハナさん、しょーくんとは恋人同士だったと聞いてるわ」

「そ、そうですが、それが何か?」

「どれくらいお付き合いされていましたの?」

「3年半くらいです」

「あら、そんなに長かったのね。あの人そういうことは何にも教えてくれなかったんだから」

「……」


そりゃあ、嫌いな女の話なんて好んでするわけ無いじゃん。

というかそんなこと聞いて一体何がしたいんだろう。


「わたしはね、しょーくんとはこの病院の陽々という患者会で出会ったのよ。1年半くらい前、秋だったわ」

「そうですか」


なんか聞いたことある話だけど、1年半前って情報は新着だ。


「彼は癌が発覚してまだ数か月だったけれど、今後が不安になって参加したと言っていたわ。周りのお友達が就活を進めていて影響を受けたそうなの。そうそう、大学3年生だったものね」