君と幸せなサヨナラをしよう。


外に出ると、もわっと湿気が肌にへばりついて不快感を覚えた。

と当時にぐう〜と間抜けな腹鳴が聞こえた。

そういえば朝ギリギリでちゃんと食べてなかったや。


「……食べてから帰ろっと」


昼食にするつもりだったお弁当があることを思い出し、踵を返して飲み物を買いに売店へ向かう。

イートインスペースでお弁当を貪っていると、すみません、と聞き覚えのある声がした。



「ハナさん、こんにちは」


顔を上げるとやっぱり蘭さんだった。


「蘭さん……先ほどはどうも」


てっきりもう帰ったのかと思ったけど、そうだよね。
彼氏が急変したんだから気が気でないし、帰りたくても帰れないよね。


「少しお時間よろしくて?」

「えっ…あ、今日は退勤したので時間は大丈夫ですけど……」

「あら、そうだったの。ではこちらお邪魔しますわ」


どうぞ、と言い終わる前にささっと私の向かいに腰掛ける。

優雅に髪をかき上げたら、両手をテーブルの上で丁寧に重ねて私が食べ終わるのを待った。