君と幸せなサヨナラをしよう。




 * * *




「うそ……」


目を丸くして固まる黒髪ロングヘアの女性。

今日は藍色のマキシ丈ワンピースにラベンダー色のショルダーバッグだった。



「ですので、今は面会できなくて。恐れ入ります…」

「い、いつ会えるようになりますか!?」

「っそれは……」


少し俯いて蘭さんに返す言葉を探すけど、そんなの私だって知りたい。


すると隣から私じゃない低い声が言った。


「まだ状態が不安定なので、あと数日はかかるだろうと担当医が言っていました。全身状態が落ち着いたら治療強化のために一般病棟から無菌室へ移ることになると思いますので、当面の間、面会は難しいかと」

「そんな……」

「恐れ入ります」


ショックを受けて唇が震える蘭さんに対して深々と頭を下げるのは、ユウ先輩。


「……わかりました。教えていただきありがとうございました。彼をどうか、救ってください。どうかよろしくお願い致します」

「最善を尽くします」


先輩が強く頷くと、蘭さんは私とユウ先輩を見て交互にお辞儀し、受付を後にした。