わかってる。わかっていた。
こんな結果になることは、じゅうぶん、理解していた。
だけどやっぱり、息が苦しい。
「……あははっ、振られるのはわかってたんですけどね」
ぽろぽろこぼれる透明の雫は空っぽになったお皿へ無造作に落ちる。
「先輩、すずちゃんじゃなくて、あたしをみてほしいです。先輩のいちばんはあたしがいいです。一緒にデートとか好きなバンドのライブとか行きたいです……っ」
崩壊した涙腺は容赦なく涙を押し出し、人目を気にせず頬を伝う。
恥ずかしいとか困らせてるとか気にしてる余裕はない。
ただひたすらに感情を伝えることに必死だった。
「好きなんです……九堂先輩の、優しいところも狡いところもぜんぶが、あたし……好きで好きで、好きだから、ちゃんと振ってほしくて……」
「うん、ありがとう、わかったから白木さん、」
矢継ぎ早に好きを連打したあたしを包み込むような柔らかい声で、そっとティッシュを差し出す。
