──カラン、とカウンター上のグラスの中にいる透明の球体が水面下へ沈む。
その氷に等間隔で配置された天井の小ぶりなペンダントライトが反射して光の輪を彩る。
ゆったりとした心地よいジャズと、ほどよいお客さんの話し声。
そんな空間にちょっぴり大人の優越感を味わいながら飲むアルコールは最高に沁みる。
「これ……」
帰り際に九堂先輩が私の手の中に握らせたのは、先輩の連絡先が書き殴られた付箋紙だった。
「いやそれ、絶対すずちゃんに気があるでしょー!」
隣でそう叫ぶのは、片手をグラスにそえて、もう片手で頬杖をつくしろっきー。
「えー、でも3人で飲もうって意味かもしれないじゃん!ご一緒したいってそういうことでしょー?」
しろっきーと飲むって前置きの会話したし。
てかなんで飲み会バレてるんだろう……。
「バレバレだよ、顔に出てるもん」
どうやらうっかり口に出してしまったようで、いよいよ酔いが回ってきたのかもしれない。
