君と幸せなサヨナラをしよう。

ちょっと盛ったけどうわさされていたのは事実。

あの二人最近仲いいよね、と妬み混じった会話を女子トイレで耳にしただけ。

それに同僚からの姑息な嫌がらせも目撃済みだ。
本人は鈍いおかげでノンダメージのようだけど。


ごくりと大きな喉仏を上下させて水を飲んだ先輩は、あたかも平然な顔で首を傾げて笑う。


「うん、すずちゃんと話すの楽しいからね」

「……」


あっけらかんと言いのける先輩をただ見つめることしかできない。


「確かに最近仲良くなってるけどさ。僕一度もすずちゃんから誘われたことないし、ご飯行っても普通に悩みごと聞いてるだけだからね」


ふうん、悩みごと、ねぇ。


「……じゃあ先輩、すずちゃんは恋愛対象じゃないんですか?」

「んー、まあ、すずちゃんは可愛い後輩だと思うよ」


それはあなたのずるい部分だよ。
ぼかすなんて小賢しい。

ああもう、それならストレートに仕掛けるしかないんだね、先輩。あたしの負けだ。



「それなら先輩、あたしは……、」