君と幸せなサヨナラをしよう。

嘆くのは傷ついてボロボロになってからだよ。

ぬるま湯に浸かってうじうじしてる場合じゃない。

当たって砕けてそれから始まりだよ、失恋は。


「ありがとうしろっきー。おかげで覚悟決められた。しょーくんに好きって気持ち伝えて、ちゃんと話して、納得いくかたちでもう一回別れる」


失恋は怖いけど、そうしないと私は止まったままの時間を進めることができない。


全力疾走して転んだって、今はつらくても未来はきっと笑い話だ。


傷ついてもいい。
その傷が治るのに何年かかってもいいし、傷ついた時には誰かに甘えたっていい。

癒えない傷なんて無いから。



くっとジンライムをひとくち口腔へ注ぐと、柑橘の爽やかな酸味のあと放たれるハーブの香り。

冷たい辛口が喉を通って痺れるような熱を残し、網膜がぐわんと揺れた。


「くぅー……」


こぼれた息が緑がかった透明の液体に落ちる。

細かいあぶくがグラスの底からひそやかに舞い上がり、水面で次々と弾ける。


喉にアルコールの余韻が残る。

強いカクテルだなと思った。