常に様子を見てくれているペトと、ちょいちょい俺から離れて身体の回復に努めている母親のリルと、ほぼほぼ俺を構っていて働いてる様子のない父親のミームと、他に行くとことかないんだろうかと不安になるくらい毎日俺の様子を見ているユハに囲まれて、俺は毎日楽しく過ごしていた。
少し経つと、眠気もだいぶ治まってきた。ずっと寝てるという状態ではなくなった。
誰かを観察していると寄ってきてくれるので、目線も安定しているのだろう。
あまり遠くは分からないが、近くに寄ってきてもらうと、なんとなく分かるようになった。
驚いたことに、俺の両親は信じられないほどの美男美女であった。
これは俺の将来のビジュアルも、大いに期待できるというものだ。
ユハは思っていたよりもガタイが良かった。十歳だと言っていた気がするのだが、中学生くらいには見える。
可愛いもの好きなのか、小さいもの好きなのか、俺に近づいて来る時の顔はデレデレだが、体格はなかなか厳つかった。
ペトは、ふくよかで元気そうな、ザ・おばちゃん。安心感という点では、最高点を差し上げたいと思う。抱き上げられた時の安定感なんて、最高としか表現のしようがない。
ペトの旦那のリャンは、国の近衛騎士団で副団長をしているのだという。
そんな偉い人の奥さんが家政婦ってどういう事かと思ったが、今は深く考えるのを置いておこう。
リャンは、ユハ以上に厳つい顔をビックリするほど崩して俺に近寄ってきた。
正直、マジ泣きした。ごめんよリャン。でも、怖い顔でデレデレするお前が悪い。
最近のお気に入りは、お風呂だ。
最初は、耳に水が入ったり、いきなり顔に水がかかったりで恐怖でしかなかったのだが、よくよく考えれば、産まれるまで水の中にいる様なものだったんだから、それほど怖がる必要もないかと思えた。
いや、むしろ、羊水と違う匂いとか味で、逆に嫌な感じがしてたのかも知れない。濃度とかも絶対違うよな。
まぁ、とにかく、今は楽しく入れるようになってきた。
お風呂は父親の仕事だとミームが毎日頑張ってくれていて、手慣れてきたからというのもあるだろう。
アヒルのおもちゃはないけど、花びらが浮かんでたり、ふわふわのアワアワがあったり、色んな工夫がされている。
他にも、色んな経験をさせてもらった。
例えば、手入れの行届いた様々な花が咲く庭の、大きな木の側のガゼボで、両親がお茶を楽しんでいる間に揺り篭で揺られた。
庭に咲いているのは季節の花なのだろう。どれも綺麗に剪定されていて、毎日お手入れしていることがよく分かる。雑草なんて一つも生えてないし、落ち葉一枚見つからない。
ガゼボは真っ白で、眩しいくらい太陽の光を反射している。外に置いてあるというのに、劣化した様子が一切ない机や椅子は、毎日丁寧に磨かれているかのように美しい。
両親は仲良く二人で座って談笑するのだが、定期的に側に控えてる人が何も言わずにお茶を入れ替えている。二人のカップから、湯気が消えることはなかった。
俺の揺り篭は、ユハがずっと揺らしていた。
夫婦の部屋のバルコニーで、夜空を見上げてロマンチックに浸る両親の腕に抱かれて、天体観測もした。
お昼にここに来た時も、広がる青空に、白くて綺麗な雲が流れて、空気が気持ち良かった。
夜になれば、空には無数の星が煌めいており、まさに満天の星空だった。
イチャイチャする両親を他所に見上げた星空に、俺の知る星も星座も見当たらなかったが、きっとこの世界にも、星座や神話は存在するだろう。
騎士団の訓練場に連れて行かれた時は、父親だけで、母親はいなかった。
リャンと共に訓練場に入ると、なぜか俺たちの来訪を待っていたようにずらっと並んだ騎士達が一斉に跪いた。
隣で一緒に入ってきたリャンが副団長って言ってたし、きっと、リャンに対して礼を尽くしたんだろう。なんて、思いたかったのに。
「大儀である。そなたらの忠義をこの子にも捧げて貰えることを願っている。これからも、国の柱として、励んでほしい。」
ダメだ。否定できない。もはや現実逃避は不可能だ。
俺の転生先の父親は、めちゃくちゃ偉い人だ。
実は、俺の解釈ミスだと思いたくて、今まで避けていた単語がある。
それは、俺の父親の呼称だ。
俺の解釈からいくと、恐らく、これは。
「陛下」だ。
陛下とか呼ばれている国のトップのお偉いさんが、自分でガチ子育てすなよ。
まぁ、事実は事実として認めよう。
どうやら俺は、この国の第一王位継承者――王子様として生を受けたようである。
少し経つと、眠気もだいぶ治まってきた。ずっと寝てるという状態ではなくなった。
誰かを観察していると寄ってきてくれるので、目線も安定しているのだろう。
あまり遠くは分からないが、近くに寄ってきてもらうと、なんとなく分かるようになった。
驚いたことに、俺の両親は信じられないほどの美男美女であった。
これは俺の将来のビジュアルも、大いに期待できるというものだ。
ユハは思っていたよりもガタイが良かった。十歳だと言っていた気がするのだが、中学生くらいには見える。
可愛いもの好きなのか、小さいもの好きなのか、俺に近づいて来る時の顔はデレデレだが、体格はなかなか厳つかった。
ペトは、ふくよかで元気そうな、ザ・おばちゃん。安心感という点では、最高点を差し上げたいと思う。抱き上げられた時の安定感なんて、最高としか表現のしようがない。
ペトの旦那のリャンは、国の近衛騎士団で副団長をしているのだという。
そんな偉い人の奥さんが家政婦ってどういう事かと思ったが、今は深く考えるのを置いておこう。
リャンは、ユハ以上に厳つい顔をビックリするほど崩して俺に近寄ってきた。
正直、マジ泣きした。ごめんよリャン。でも、怖い顔でデレデレするお前が悪い。
最近のお気に入りは、お風呂だ。
最初は、耳に水が入ったり、いきなり顔に水がかかったりで恐怖でしかなかったのだが、よくよく考えれば、産まれるまで水の中にいる様なものだったんだから、それほど怖がる必要もないかと思えた。
いや、むしろ、羊水と違う匂いとか味で、逆に嫌な感じがしてたのかも知れない。濃度とかも絶対違うよな。
まぁ、とにかく、今は楽しく入れるようになってきた。
お風呂は父親の仕事だとミームが毎日頑張ってくれていて、手慣れてきたからというのもあるだろう。
アヒルのおもちゃはないけど、花びらが浮かんでたり、ふわふわのアワアワがあったり、色んな工夫がされている。
他にも、色んな経験をさせてもらった。
例えば、手入れの行届いた様々な花が咲く庭の、大きな木の側のガゼボで、両親がお茶を楽しんでいる間に揺り篭で揺られた。
庭に咲いているのは季節の花なのだろう。どれも綺麗に剪定されていて、毎日お手入れしていることがよく分かる。雑草なんて一つも生えてないし、落ち葉一枚見つからない。
ガゼボは真っ白で、眩しいくらい太陽の光を反射している。外に置いてあるというのに、劣化した様子が一切ない机や椅子は、毎日丁寧に磨かれているかのように美しい。
両親は仲良く二人で座って談笑するのだが、定期的に側に控えてる人が何も言わずにお茶を入れ替えている。二人のカップから、湯気が消えることはなかった。
俺の揺り篭は、ユハがずっと揺らしていた。
夫婦の部屋のバルコニーで、夜空を見上げてロマンチックに浸る両親の腕に抱かれて、天体観測もした。
お昼にここに来た時も、広がる青空に、白くて綺麗な雲が流れて、空気が気持ち良かった。
夜になれば、空には無数の星が煌めいており、まさに満天の星空だった。
イチャイチャする両親を他所に見上げた星空に、俺の知る星も星座も見当たらなかったが、きっとこの世界にも、星座や神話は存在するだろう。
騎士団の訓練場に連れて行かれた時は、父親だけで、母親はいなかった。
リャンと共に訓練場に入ると、なぜか俺たちの来訪を待っていたようにずらっと並んだ騎士達が一斉に跪いた。
隣で一緒に入ってきたリャンが副団長って言ってたし、きっと、リャンに対して礼を尽くしたんだろう。なんて、思いたかったのに。
「大儀である。そなたらの忠義をこの子にも捧げて貰えることを願っている。これからも、国の柱として、励んでほしい。」
ダメだ。否定できない。もはや現実逃避は不可能だ。
俺の転生先の父親は、めちゃくちゃ偉い人だ。
実は、俺の解釈ミスだと思いたくて、今まで避けていた単語がある。
それは、俺の父親の呼称だ。
俺の解釈からいくと、恐らく、これは。
「陛下」だ。
陛下とか呼ばれている国のトップのお偉いさんが、自分でガチ子育てすなよ。
まぁ、事実は事実として認めよう。
どうやら俺は、この国の第一王位継承者――王子様として生を受けたようである。

