それから俺は、毎日ルビーラを練習している。
週に一度、ヒルア先生の指導を受け、正しい持ち方や叩き方を教えてもらう。
残りの日はそれを思い出しながら何度も繰り返す。
楽譜は少し進んで、今は四小節を覚えて繰り返している。
ドミソミラソミ レソミレミ
ドミソミラソミ レソミレド
ミソミソラソラ ミーラソラ
ドドラソミーラ ミミファレド
簡単だなと思っていたのだが、これが案外難しかった。
ずっと同じテンポで叩くというのも意外と出来ないものだし、手が交差すると疲れた時にガツガツぶつかってしまう。
四小節目で出てきた、同じ音を二回続けて叩く所では、ビックリするほど下手になる。
前世ではこんなに苦戦する事なんてなかったのに、やはり、筋肉が無いと難しさが変わってくる。
軽いマレットも重く感じるし、いう程長くない柄も長く感じる。
数日前の指導で、板の真ん中と、板の端が良い音が鳴ると教えてもらったのだが、これがなかなか当たらない。
そこに当てようとすると、跳ね返るように弾きたいのに、押し付けるように叩いてしまう。
跳ね返るように弾こうとすると、いつの間にか場所がズレる。
どちらも気を付けようとすると、今度は肩や腕に力が入ってしまう。
とりあえず、肩や腕に力を入れないように、同じ音を弾く練習を勧められた。
だから、今の主な練習はこれだ。
ただ、それだけだと飽きるので、たまに楽譜の曲を弾いてみるのだが、やっぱり良くない。
楽器というのは、なかなか難しい物だ。
ただ、こんなに上手くいかないからこそ、頑張ろうという気にもなる。
カツィの部屋には、毎日行っている。
ただ、部屋の前まで来て泣き声が聞こえたら引き返している。
乳母の皆には申し訳ないが、あんな心を抉るような泣き声を聞くのはしんどい。
まるで、嫌がらせのように大きな声で泣くのは一体どういうつもりなんだろうかとか考えてしまう。
乳母曰く、泣き始めに抱っこしたらそんなに大きな声では泣かないようになるそうだ。
昔は、泣いてすぐ抱くと『抱き癖』がついてワガママになるとか言われていたらしい。
だが、俺の知る前世の知識では、泣けば誰かが抱き締めて助けてくれるという安心感を育てることで、将来的にも激しく泣き叫ばない子になるという話だった。
ただ、それも人によるようで、カツィは何をやっても泣く子だったんだろう。
因みに、産まれて一月ほどでカツィは後宮の一室に移動した。
魔力がゼロなので、王宮に居ては心力が削られるという事だ。
そう、つまり、実の父親であるゼンツが会おうと思えば会える場所に居るという事だ。
乳母曰く、一度も会いには来ていないらしいが。
因みに、ムレも一度も会いに行ってないらしい。
夫婦そろってダメな奴らだ。何をそんなに拘っているのやら。
ミームも当然、会いに行っていない。
まぁ、これは仕方ないだろう。リルの悪阻もまだまだ酷いらしいからな。
リルのお腹の子供は妹かな?弟かな?
可愛い妹にお兄ちゃんとか呼ばれてみたいな~。
あ、でも、カツィみたいにギャン泣きされたら面倒だから、そういう時期はちょっと関わりたくないとは思ってしまう。
こないだ、カツィに話しかけてみようと思って近づいたんだけど、虚ろな目でボーっとしているだけで、こっちを見ているようにも思えなかった。
あれは、まだ見えてないのかな?反応も無くてつまらなかった。
まだ、人間になってないなって感じ。
泣いた時に煩いだけの、可愛がる対象ではなかった。すまん、弟よ。
まぁ、たまにルビーラを弾いた時に笑うらしいので、たまには弾きに行ってやるけどな。
と言うか、最近、俺が行く時に泣いている事が少ないんだけど。
もしかして、俺が行く時間に泣かないように頑張ってくれたりしているのかな?
そうなら、ちょっと申し訳ないんだが……でも、助かります。ありがとう、乳母さん達。
週に一度、ヒルア先生の指導を受け、正しい持ち方や叩き方を教えてもらう。
残りの日はそれを思い出しながら何度も繰り返す。
楽譜は少し進んで、今は四小節を覚えて繰り返している。
ドミソミラソミ レソミレミ
ドミソミラソミ レソミレド
ミソミソラソラ ミーラソラ
ドドラソミーラ ミミファレド
簡単だなと思っていたのだが、これが案外難しかった。
ずっと同じテンポで叩くというのも意外と出来ないものだし、手が交差すると疲れた時にガツガツぶつかってしまう。
四小節目で出てきた、同じ音を二回続けて叩く所では、ビックリするほど下手になる。
前世ではこんなに苦戦する事なんてなかったのに、やはり、筋肉が無いと難しさが変わってくる。
軽いマレットも重く感じるし、いう程長くない柄も長く感じる。
数日前の指導で、板の真ん中と、板の端が良い音が鳴ると教えてもらったのだが、これがなかなか当たらない。
そこに当てようとすると、跳ね返るように弾きたいのに、押し付けるように叩いてしまう。
跳ね返るように弾こうとすると、いつの間にか場所がズレる。
どちらも気を付けようとすると、今度は肩や腕に力が入ってしまう。
とりあえず、肩や腕に力を入れないように、同じ音を弾く練習を勧められた。
だから、今の主な練習はこれだ。
ただ、それだけだと飽きるので、たまに楽譜の曲を弾いてみるのだが、やっぱり良くない。
楽器というのは、なかなか難しい物だ。
ただ、こんなに上手くいかないからこそ、頑張ろうという気にもなる。
カツィの部屋には、毎日行っている。
ただ、部屋の前まで来て泣き声が聞こえたら引き返している。
乳母の皆には申し訳ないが、あんな心を抉るような泣き声を聞くのはしんどい。
まるで、嫌がらせのように大きな声で泣くのは一体どういうつもりなんだろうかとか考えてしまう。
乳母曰く、泣き始めに抱っこしたらそんなに大きな声では泣かないようになるそうだ。
昔は、泣いてすぐ抱くと『抱き癖』がついてワガママになるとか言われていたらしい。
だが、俺の知る前世の知識では、泣けば誰かが抱き締めて助けてくれるという安心感を育てることで、将来的にも激しく泣き叫ばない子になるという話だった。
ただ、それも人によるようで、カツィは何をやっても泣く子だったんだろう。
因みに、産まれて一月ほどでカツィは後宮の一室に移動した。
魔力がゼロなので、王宮に居ては心力が削られるという事だ。
そう、つまり、実の父親であるゼンツが会おうと思えば会える場所に居るという事だ。
乳母曰く、一度も会いには来ていないらしいが。
因みに、ムレも一度も会いに行ってないらしい。
夫婦そろってダメな奴らだ。何をそんなに拘っているのやら。
ミームも当然、会いに行っていない。
まぁ、これは仕方ないだろう。リルの悪阻もまだまだ酷いらしいからな。
リルのお腹の子供は妹かな?弟かな?
可愛い妹にお兄ちゃんとか呼ばれてみたいな~。
あ、でも、カツィみたいにギャン泣きされたら面倒だから、そういう時期はちょっと関わりたくないとは思ってしまう。
こないだ、カツィに話しかけてみようと思って近づいたんだけど、虚ろな目でボーっとしているだけで、こっちを見ているようにも思えなかった。
あれは、まだ見えてないのかな?反応も無くてつまらなかった。
まだ、人間になってないなって感じ。
泣いた時に煩いだけの、可愛がる対象ではなかった。すまん、弟よ。
まぁ、たまにルビーラを弾いた時に笑うらしいので、たまには弾きに行ってやるけどな。
と言うか、最近、俺が行く時に泣いている事が少ないんだけど。
もしかして、俺が行く時間に泣かないように頑張ってくれたりしているのかな?
そうなら、ちょっと申し訳ないんだが……でも、助かります。ありがとう、乳母さん達。


