うむ。なるほど。

使用人問題は、突っ込んだ所で俺に特は無いので、放っておくのが一番だ。
もし聞いて、では従者を増やしましょうとか言われて、口うるさい奴とか付けられても嫌だしな。

とりあえず、俺はルビーラを叩いてみることにした。
まずは、俺の身体に合わせて足場を用意して貰った。
ちょうど、叩く面が(へそ)のあたりに来る高さだ。
巻物の楽譜も目の高さに来るように調節して準備万端だ。

ユハがゆっくりと巻物を動かすと、最初の音が見えてくる。

「えっと、ここだな」

まずは、真ん中あたりの板を叩く。恐らく、ドだ。
ポンといい感じの音がする。

「次は、ここ」

二つ右隣のミ。
左右のマレットで板を交互に叩くのがルールだと聞いたので、最初の音は右手で、次の音は左手で叩く。
思ったよりマレットが重たくて、自分で考えているより早く落ちてしまう。
と言うか、二音目にしていきなり交差(こうさ)させるとは、なかなかやりおるな、この楽譜。

もう二つ右隣りのソ。戻ってミ。今度はもうちょっと行ってラ。隣のソ。戻ってラ。
で、ちょっと空白が開く。

「待って、ユハ。ここまで覚えてやりたい」

楽譜を最初に戻して貰う。
右でド、左でミ、右でソ、左でミ、右でラ、左でソ、最後に右でミ。
ドミソミラソミ。ドミソミラソミ。
何度か繰り返して覚える。

「うん。ここまでは覚えたから、楽譜動かさなくていいよ」

ユハに手を止めてもらって、とりあえずそこまでを何度も繰り返す。
楽器って、反復練習(はんぷくれんしゅう)が大事だよな。
ワンフレーズをひたすら叩く。うん。良いだろう。

「じゃあ、楽譜動かして」

最初に戻っていたので、楽譜を動かして貰って、しっかり練習した所を楽譜の動きに合わせてゆっくり叩く。
速く叩いて練習していると、ゆっくり叩くのが下手になる。楽器あるあるだよな~。
まぁ、初回だから許して貰うとして、続きだ。

左でレか。初めてレが出てきたな。
右でソ、左でミ、右でレ、左でミ。また交差だ。
レソミレミ。ね。なんか、続きますよっていう音階(おんかい)

レソミレミ。レソミレミ。レソミレミ。
えっと、さっきのは何だっけ。ドミソミラソミだっけ?
ドミソミラソミ レソミレミ。ドミソミラソミ レソミレミ。

音階でメモしときたいなぁ~。

「紙とペンはこちらに」

……口には出してないと思うんだけど。顔に書いてましたか?
ちょっとユハの空気読み力が怖すぎるけど、お言葉に甘えてメモしました。
うん。しばらく楽譜は良いや。
ドミソミラソミ レソミレミ。

今度は、ドドミミソソミミララソソミミっていう感じで、一つの音を二回ずつ叩いて練習しよう。なんか、そういう練習ありそうじゃん。
あと、ドッドミッミソッソミッミラッラソッソミッミ、みたいな音の間隔を変えての練習とかさ。
楽しくなってきた。