うむ。なるほど。

俺は、ミームと話をすることに決めた。
へその化膿は、絶対に早めに対応した方がいい案件(あんけん)だ。

一度も入ったことのない離宮に、ちょっと尻込みするが、弟の命がかかっているかも知れないのだ。今行かないでどうする。
メフィスレスとアイッシェンに加え、ユハにも手を繋いで貰って離宮に向かう。
俺的、最強の布陣(ふじん)だ。

「た、たのも~!」

一応、魔力は完全に抑え込んで来ている。
リルは割と魔力が多いらしいから、多分大丈夫とは思うんだが、身重の時はなんか違ったりする可能性も否定できない。

俺の弱々しい声に反応して出て来てくれたのは、意外や意外、ペトだった。

「おや、ルイーナ坊ちゃん。お久しぶりですね。どうされました?たのもー、とは何ですか? 愚息(ユハ)はちゃんとやれてますか?ご迷惑おかけしてませんか?」

ユハが来るまでは、何となく側にいてくれて、いつも俺の成長を見守ってくれていたペトだが、ユハが来てからは一切見なくなっていた。
心配性の母親という感じで、怒涛の質問が飛んでくる。

「久しぶりだね、ペト。ユハは凄く良くしてくれてるよ。もう、ユハがいない日常なんて考えられないよ。」

とりあえず、有能なユハを存分に自慢したくて胸を張って答えた。
それでひとまず挨拶が終わるかと思ったら。

坊ちゃんは肌が荒れやすいからちゃんと風呂上がりのクリーム塗ってるかとか、お勉強に夢中になると目が悪くなるからたまには声をかけて外に連れ出すんだよとか、魔力を制御する練習ばっかりしていたら魔力を放出する事を忘れて破裂してしまうから気を付けるんだよとか。
次から次へと俺のことに関する注意事項が並べ立てられた。

これは、どうにか割って入らないと長くなるやつだ。

「ねぇ、ペト。ミームは?」

慌てて口を挟んだ俺の言葉に、ペトの目がキラリと光った。気がする。

「ルイーナ坊ちゃん、陛下を呼び捨てとは一体どういう事ですか。陛下が坊ちゃんに激甘だとしても、許される事と許されない事があるのはお分かりでしょう。陛下もリル様も、ルイーナ様を甘やかし過ぎておられたのかも知れませんね。」

から始まり、大体ユハはどういう教育をしてるんだと飛び火し、これはやってるのか、これは出来てるのかと細かい確認が始まった。
離宮の防御が硬すぎる。