何が無駄な時間だ!
何が青くさい我が儘だ!
おじさんが命をかけて灯してくれたあの場所で、私たちは救われたじゃん!
立ち止まったからこそ、私たちは自分の足で立とうと思えたんだよ!
「無駄なんかじゃない……!!絶対、無駄になんかさせないからーーーー!!!」
叫び声が潮風に乗り、静かな錦江湾の波を揺らす。
叫んで、叫んで、声が掠れて掠れて、胸の奥のモヤモヤが全部真っ白になるまで吐き出した。
息を切らし、膝に手をついて荒い息を吐く私の隣で、律がゆっくりと私に体を向ける。
あふれる涙を手の甲で乱暴に拭い、夕焼けの空を見つめる律の横顔には、もう迷いはなかった。
「……行くぞ、あおば」
「……うん」
おじさんはもう目を覚まさないかもしれない。
奇跡なんて起きないかもしれない。
だけど、あの夜おじさんがくれた温もりが、命の灯火が、私たちの血の中に確かに生きている。
青くさくても、泥だらけでも、傷ついても――ここからが、私たちの本当のスタートだ。
私はぎゅっと拳を握りしめ、自分たちの「正解」を証明するために、九州大会のステージへ向かって力強く歩み出した。
おじさんが亡くなったと聞いたのは、それからしばらくしてからだった。
