あの夏、残り3%の君と、世界でいちばん綺麗なサボり方をした


「俺たちが『自分を探す』だの『正解の音』だの言って泥こねて逃げ回ってた時……おじさんは命削ってあの店にいたんだぞ!?俺たちが勝手に傷ついて、勝手に救われて、満足して帰っていったあの時間も、おじさんの命は消えかけてたんだ!!」

律の声が、波音に掻き消されそうになりながら激しく震える。

「俺たちの『もがいてた時間』なんて……人の命の重さに比べたら、ただの我が儘で、何の価値もない無駄な時間だったんじゃないのかよ……!!」

不甲斐なさ。
やるせなさ。
現実の重さ。

17歳の私達が抱えていた悩みなんて、命の前にはあまりにもちっぽけで、身勝手だったのかもしれない。
おじさんに何も返せないまま、おじさんは遠くへ行ってしまう。

胸の奥から、ドロドロとした熱い感情が喉元まで駆け上がってきた。
不器用で、身勝手で、格好悪くて、だけど確かに生きている私たちの存在。
おじさんが自分の命を削ってまで守ってくれた、私たちの命の重さ。

「うおおおおおおおあああああああーーーーーーっっっ!!!!」

律は夕焼けに染まる桜島に向かって、喉が破けるくらいの声で叫んだ。

「あーーーーーーっ!!!!!あーーーーーーーーっっっ!!!!!」

私も、溢れ出る涙も、鼻水も拭わずに、体中の空気をすべて吐き出すように叫び続けた。