その姿を見て、私の中の何かが弾けた。
吹奏楽部から逃げ出し、自分を責め続けていた心の破片が、熱い血となって全身を駆け巡る。
私はグッと足に力を入れて一歩を踏み出し、律のとなりに並んで立った。
もう、誰の背中にも隠れない。
「お父さん、お母さん!おじさんも、おばさんも聞いてください!」
私は涙を拭いもせず、律の両親と、自分の両親に向かって、胸を張って思いの丈をぶつけた。
「私達はサボりました!親の連絡も無視して、スマホの電源も切って、全てのものから逃げたくて、遠くへ行きました!大人の言うことを何一つ聞かない、身勝手で、カッコ悪くて、最低な高校生だと思います!」
両親たちが息をのむのが分かった。
「でも!私達は、大人が作った『正解』の通りに生きて、壊れそうになってたんです!吹奏楽部でコンクール前に逃げ出した私は、ずっと『投げ出した最悪な人間』だって自分を責めてました。でも、立ち止まったから気づけたんです!逃げることは、自分を殺さないための大事な選択だったんだって!」
私はスカートのポケットの中のカメラをぎゅっと握りしめた。
